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Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

鳥取市と鳥取環境大学が公立大学法人化に向けた取り組みを進める

high190です。
鳥取市鳥取環境大学という私立大学の新入生に対して、家賃の30%を助成する制度を導入するそうです。なお、地方自治体が私立大学学生の家賃補助をする事例はこれまでないとのこと。
鳥取市が私立大学に助成して入学者確保のサポートを行う理由はどこにあるのでしょうか。


鳥取市は2011年度に鳥取環境大学に入学する新入生に対し、家賃の10%分(上限5千円)を負担する独自の助成を決めた。同大が昨年度から実施している助成分と合わせると30%にかさ上げされることになり、学生確保に結び付けたい考え。市によると、自治体が私立大学に通う学生の下宿代を助成している例はないという。同大学周辺の津ノ井地区または若葉台地区にあるアパートへ入居する学生が対象で、アパートの住所に住民票があることが条件。
01年の同大開学当初にアパートが不足していたため、市から依頼を受けた民間がアパートなどの賃貸物件を建設した。しかし近年、学生の減少でアパートに空き室が目立つため、学生の居住を促進し、経済的負担を軽減することで入学者の増加を図る。
同大は昨年度から家賃20%(上限1万円)を助成しており、助成受けている人は本年度196人で平均家賃は3万7851円。市は約90人、400万円程度を見込んでおり、12月議会に債務負担行為として提案する。
来年度以降については公立化の状況などを踏まえて判断する。

記事の最後にあるように、鳥取環境大学では平成24年度の公立大学法人化を目指して自治体と大学側が協議を行っているようです。
設置形態は私立大学ですが、鳥取県鳥取市が学校法人を設立して運営する公設民営方式で設置された大学であるため、このような取り組みが可能になっているのですね。

また、このような助成を鳥取県が行う背景には、人口減少に少しでも歯止めをかけたいという政策的な判断があります。
鳥取県が公表している人口の推移では平成9年から人口減少が続いており、大学入学者を増やすことで人口増に少しでも繋げたいのではないでしょうか。

大学が地域社会や地域経済に与える影響は少なからずあります。人口という面から大学を単純化して捉えてみると「18〜22歳の年齢の人々を毎年一定数集めそれを反復している組織」であるということがいえます。(これからの大学はリカレント教育を充実させていく必要があるので、18〜22歳の人々に限る必要は全くありませんが、現在の状況を鑑みるとこの表現が適切かと。)大学も見方を変えるとこうした社会的意義を持った存在であるということを再認識させられますね。それだけ、大学に課せられた社会的使命というものは大きいと言えます。