Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

東京電機大学が女子学生の声を受けてスクールバスの消臭に乗り出した

high190です。
東京電機大学では、女子学生からの申し出を受けてスクールバスの消臭対策に乗り出したそうです。


埼玉県鳩山町東京電機大・鳩山キャンパスが、通学用のスクールバスのにおい対策に乗り出した。
9割を占める男子学生のにおいに耐えてきた少数派の女子学生が今夏、「バスに乗りたくない」と悲鳴を上げたためだ。猛暑の影響で、においが増したらしい。香りを放つ機器を設置して好評を得たものの、根本的な解決にはほど遠い。香りに関する研究をしている教官のグループが対策を継続するという。
理工学部が入る鳩山キャンパスには約3000人の学生が通う。最寄り駅から約4キロ離れているため、多くの学生が東武東上線高坂駅や北坂戸駅などから出ているスクールバスを利用。時間帯によってはすし詰め状態になるという。
においに関する苦情は毎年、梅雨時から夏にかけ、約300人いる女子学生たちから寄せられていたが、酷暑となった今夏はその不満が爆発。「臭い」「バスに乗れない」といった訴えが大学当局に相次いだ。
大学側は8月、中山洋准教授(教育工学)に相談。香りを活用した販売促進ビジネスなどを展開する「プロモツール」(東京都文京区)の放香器を試験的に設置することにした。赤外線で人を感知するとファンが作動し、かんきつ系のグレープフルーツやレモンの香りが放出されるすぐれもの。9月、高坂駅発着のバス1台に2週間ほど置いた。
今月21日にも設置し、アンケート調査を実施したところ、車内のにおいを「悪い」「とても悪い」と回答した学生は、「香りなし」で26人、「香りあり」は12人。「香りなし」の場合、バスに「乗りたくない」は19人、「全く乗りたくない」も4人いたが、「香りあり」では、「乗りたくない」は8人、「全く乗りたくない」はゼロだった。
しかし、女子学生の不満は根深い。高坂駅からのバスを利用する3年の高野寿子さん(21)は「雨の日は特ににおいがこもって汗くさく、機械系の学生の場合、はんだのにおいがしたりする。香りをかぶせるのではなく、取り除いてもらいたい」と訴える。
中山准教授も「今のところは『ないよりあった方がよい』という段階」としており、「香りには好き嫌いがある。消臭についても取り組みたい」と話す。気温が下がるこれからの季節は苦情も少なくなるが、来夏に備え、研究を続けることにしている。

共同通信PRワイヤーから本件のプレスリリースが出ています。

私の勤める大学でもスクールバスを運行していますが、学生の声を運営に反映しきれていない部分があると感じています。学生が感じる日常的な不便に全て対応することは現実的に難しいですが、声を受け止められるようにすることと、対応が難しい場合の説明責任が大学にはあると思います。東京電機大学の場合、理工系ということもあって女子学生が少数であった訳ですが、少数派の意見も受け止めて検討すべきではないでしょうか。

学生の立場で物事を考えるのは、日々業務に明け暮れる大学職員にとっておろそかになりがちなことだと思いますが、学生は大学にとって「お客様」であり、「大学の看板を背負って社会に出ていく人たち」でもあります。だからこそ、しっかり学生を指導する責任がありますし、職員自ら学生の手本になるべく行動すべきではないでしょうか。