Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

Times Higher Educationが2010年の世界大学ランキングを発表

high190です。
既にニュース等でご存知の方も多いと思いますが、イギリスの教育専門誌Times Higher Educationが今年の世界大学ランキングを発表しました。
日本では、東京大学が全体の順位で昨年の22位から26位となり、アジア1位も香港大学に明け渡すことになりました。


英教育専門誌、タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)は16日、今年の「世界大学ランキング」を発表、上位200校に入った日本の大学は昨年に比べ、11校から5校に減り、6校がランクインした中国(香港を除く)に国・地域別順位でアジア1位の座を奪われた。
日本として最高の26位に入った東京大(昨年22位)も、昨年まで維持したアジアトップの座を21位の香港大(同24位)に譲った。日本の地位低下の理由の一つとして「高等教育における最近の財政削減」を挙げた。
東京大以外では、京都大が57位(同25位)、東京工業大が112位(同55位)、大阪大が130位(同43位)、東北大が132位(同97位)だった。
1位は7年連続でハーバード大で5位までを米国が占めた。2位以下はカリフォルニア工科大、マサチューセッツ工科大、スタンフォード大、プリンストン大。英国のケンブリッジ大とオックスフォード大はともに6位だった。中国の最高は北京大の37位。49位に中国科学技術大、58位に清華大が入った。

日本の大学が順位を下げた理由が「高等教育における最近の財政削減」ということは、個々の大学レベルではなく、日本の高等教育環境について全般的に低く評価されたということになります。これは、高等教育の国際的評価において、公的支出が占める影響度が高いことを示す結果であると言えます。

全体のランキングは以下の通りです。

アジア地域の大学ランキングは以下の通りです。

ランキングの順位に一喜一憂することはないと思いますが、国際的な評価を得られる大学作りを考えることは重要ですし、質保証や優秀な留学生を呼び込む上でも参考にできるデータでしょう。国立大学法人の運営交付金や科学研究費補助金、私立大学等経常費補助金など、国が支出する費用は相応の金額になる訳ですが、高等教育の国際競争が今後より激化することを考えると優秀な人材確保には、やはり資金が必要なのだということがよく分かります。