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Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

東洋大学の「妖怪学講義」が書籍化されることに

high190です。
東洋大学が開講している妖怪学講義が書籍化されたそうです。


東洋大学が昨年度から開いている「妖怪学講義」(講談社)が本にまとめられ、出版された。妖怪やいわゆる「オカルト」の話を哲学、社会学、自然科学といろんな視点で切っていくという人気授業で、全国的にも珍しい試みだ。
同大と妖怪の縁は深い。約120年前、大学の創立者で哲学者の井上円了が「妖怪学」と銘打った講義を開いている。当時、まだ人びとは不可思議な現象が起こると「妖怪の仕業に違いない」と信じていた。これを科学的に解明し、妖怪の存在を否定しようとしていたのが井上。「妖怪博士」と呼ばれていたという。
そして昨年度、井上の生誕150年を機に「妖怪学」が復活。現代版は「妖怪を楽しむ」ことに主眼を置く。授業のまとめ役を務めるライフデザイン学部の菊地章太教授(比較宗教史)は「今はもう妖怪を信じている人は少ない。それを今さら否定せず、楽しむ方がいい」と話す。
例えば、幽霊と文学。昔の怪談は、子どもを残して死んだ母親だったり、死してなお夫を気遣う妻だったりと、人間の切ない情をえがく場面に幽霊が使われてきた。また、呪いや予言からは、言葉に縛られて行動してしまう人間の心理がわかる。
出版された「妖怪学講義」は、授業内容をライブ形式で収録したほか、学生の感想も盛り込む。今年度、授業を受けている4年の出川尚さんは「妖怪は、そこに住む人の文化や価値観と切り離せないものだとわかった」と話す。菊地教授は「妖怪をいろんな切り口で見ることで、学生には幅広い考え方を学んでほしい」と話す。

妖怪学講義

妖怪学講義

妖怪学という珍しい科目は世間的にも注目を集めているようで、各種メディアで取り上げられているそうです。

もともと妖怪学は、東洋大学の前身である哲学館で講義されていたことにゆかりがあるようです。最初の講義が開講されたのは明治20年。西暦だと1887年ですので、実に120年ほど前になります。ちなみにこの講義、全学総合科目として開講されているのですね。

東洋大学の前身、哲学館において「妖怪学」の講義が開講されたのは明治20年のこと。それから約120年たった今、現代に即した「新しい妖怪学」が、 2009年度よりリニューアルして登場しました。当授業の目的は「不可思議なものにひかれていく人間の心性に目を向け、科学的な検証と明晰な論理によってその本質を見極めること」そして「実体のない思い込みや不合理な権威を打破していくための批判精神を養うこと」。さまざまな現象について、五感を総動員させて体感・驚愕しながら、理性に対する信頼や哲学の尊重への気づきを体得します。

こうしたユニークな講義を全学総合科目に位置付けるのは、とても面白い取り組みだと思います。同様に原点回帰することで、大学の歴史を知る機会を学生に与えることも大切なことだと思います。単純に大学の歴史が書かれた書籍を学生に配布するよりもずっと効果がありそう。