Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

留学生を介した企業と大学のユニークな提携

high190です。
少し前のニュースですが、京都銀行では京都大学の留学生を同行の独身寮に住まわせ、行員の語学研修に役立てるというニュースがありました。


京都大(京都市左京区)と京都銀行(本店・京都市下京区)は、同銀行の独身寮に京大の留学生が住みながら、語学や出身国の経済、文化などを行員に教える取り組みを開始すると26日、発表した。敷金・礼金の準備が負担になっている留学生を支援する代わりに、行員も海外の知識が学べる“ギブ・アンド・テイク”のユニークな試みだ。
同行が伏見区長岡京市にもつ二つの寮に、京大が推薦する留学生6人程度を受け入れる。約7畳の個室を用意。食堂や風呂は共用で、寮内では、住み込みの行員と親睦を深めてもらう。
毎月5〜6万円の寮費を徴収するが、留学生は月に数回、講師として本店に赴き、行員向けに語学や母国の経済・文化について講義、この講師料で寮費を捻出してもらう仕組みにしている。
京都商工会議所で行われた調印式には松本紘学長と柏原康夫頭取が出席。松本学長は「行員さんと寝起きを共にし、日本の文化や企業人の生活を理解してほしい。大学卒業後、日本で就職を希望する人にとっては大きなステップにもなるはず」と期待を寄せた。
一方、柏原頭取は「京都銀行は海外にも拠点があり、行員にとって語学を学ぶ上で、留学生は願ってもない講師だ。日本での就職を希望する人には企業との橋渡しにも取り組みたい」と話していた。

京都銀行のWebサイトにプレスリリースが掲載されています。

企業と大学の提携話はよくニュースになりますが、この取り組みは非常にユニークであると同時にとても興味深いです。
留学生にとっては住居を確保する上でのコストがかからないし、日本文化を理解するうえでも役立つでしょう。寮費は講師寮から捻出する仕組みもいいですね。
また、京都銀行側からすると行員の語学力向上のために講師を雇うよりも、より密度の高い語学研修が行えるというメリットがあります。

留学生の修学・生活支援策として、参考にしたい事例ですね。

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