Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

これから大学職員になる人のためのまとめ

high190です。
これから大学職員になる人が知っておくべき知識・資料等をいくつかリストアップします。また、学び直したい時にも使えるものも挙げたいと思います。

※更新情報(2015/10/22)「大学職員.NETWORK」の新規登録停止に関する情報を追加


1.「大学教職員の基礎知識」で基礎知識を身につける

速解 大学教職員の基礎知識〈平成28年改訂版〉

速解 大学教職員の基礎知識〈平成28年改訂版〉

この本は毎年改訂されているロングラン商品。大学職員になった暁には必ず手にとっておきたい本です。大学職員として知るべき知識の大枠が網羅されており、かつ読みやすい構成なので、是非購入をおすすめします。


2.大学に関するブログを書いてみる

大学職員ブロガーは少しずつ増えています。「これでも大学職員のブログ」さんがリンク集をまとめていますので、そちらもご参照下さい。配属先の仕事内容を記事にしている人が多いです。


3.大学職員の横のつながりを強化する

大学職員は他業種に比べて同業者同士の横の繋がりが強いといわれます。実際、研修などで他大学の職員とディスカッションすることも多いですし、他大学にヒアリングに行くことも多くあります。ではどうやって横の繋がりを強くするのか?いくつかの方法がありますが、大学職員のみのSNS「大学職員.NETWORK」に参加することをおすすめします。参加にはac.jpドメインのメールアドレスを持っていることと知人の紹介が必要となりますので、ご希望の方は、プロフィール欄に記載している私のアドレス宛にご連絡いただければ招待状をお送りします。その他、Facebookには「Team大学夜話」という公開グループもあります。
※大学職員.NETWORKは2015年10月22日付で新規登録を停止しましたので、予めご了承下さい。*1

また、大学職員同士で勉強会を企画している場合もあります。私が参加しているのは首都圏で活動するGreenhorn Networkという若手職員の勉強会です。そちらに参加してみるのもよいかと思います。

大学職員が大学教育や大学経営などについて研究する「大学行政管理学会」という学会があります。入会すると各種勉強会の案内が届きますし、自分自身の研究成果を発表する機会もあります。また、他大学の職員が執筆した論文・研究ノート等の情報を学会誌から得られますので、大学経営に関する先行研究に触れることができます。大学職員の学会入会については、別途まとめているのでこちらもご確認下さい。*2


4.進研アドの「Between」を購読する

高等教育についての記事が掲載されている雑誌。現在は新規購読は受け付けていませんが、Web上で記事を閲覧することができます。


5.リクルートの「カレッジマネジメント」を閲覧する

こちらも高等教育に関する記事掲載誌。元々非売品で各大学に何冊かだけ届く貴重品でしたが、リクルートのWebサイトからPDFファイルで閲覧できるようになりました。「読みたいけど手に入らない!」という大学職員の声が大きかっただけにWeb公開に踏み切っていただいたリクルートさん、どうもありがとうございます。


6.大学評価・学位授与機構の「高等教育に関する質保証関係用語集」でグローバルな高等教育の用語を知る

独立行政法人大学評価・学位授与機構が制作している高等教育の質保証に関する用語集です。英語の対訳が付いており、評価関係の部署の方だけでなく国際系の部署で働く人にもおすすめです。


7.「大学の教務Q&A」で教務事務の一端に触れる

玉川大学出版会から平成24年3月に発行された「大学の教務Q&A」です。執筆者は国立・私立の大学教員、大学職員、高専職員の方です。タイトルの通りQ&A形式で分かりやすく書かれているため、教務実務に関わる職員にとって必携です。

大学の教務Q&A (高等教育シリーズ)

大学の教務Q&A (高等教育シリーズ)


8.「留学生受入れの手引き」で留学実務に触れる

グローバル人材の育成や留学生30万人計画など、大学職員にとっては、所属部署には関係無く留学生の受け入れと留学への送り出しを考えなければならない時代になったと思います。しかしながら、出入国管理及び難民認定法への理解や、在留資格関係の所管は法務省であることなど、職員が学ばなければいけない知識は多くあります。「留学生受入れの手引き」はJAFSA(国際教育交流協議会)*3が発行している書籍で、約300に及ぶ大学・教育機関・企業等を会員とするこの分野唯一のネットワーク組織の知見が凝縮された必読書です。

留学生受入れの手引き

留学生受入れの手引き

  • 作者: JAFSA「増補改訂版留学生受入れの手引き」プロジェクト
  • 出版社/メーカー: かんぽう
  • 発売日: 2012/02/29
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログを見る


9.「大学事務組織の強化書」で大学の組織とガバナンスについて考える

大学職員にとっては、自らが所属する組織について色々な思いを抱くことが多いと思います。(私自身もそうです)
「大学事務組織の強化書」は、上記でも紹介した大学行政管理学会の大学事務組織研究会*4のメンバーが、自らの研究成果として発行した書籍です。


大学事務組織の強化書

大学事務組織の強化書


10.大学の教員免許業務Q&Aで教職課程に関する実務知識を養う

教員養成に関する議論は中教審でも常にホットトピックなのですが、教職課程の実務は非常に法令も難解で難しい部分があります。(私の職場も過去に教職課程を持っていたので証明書発行等を担当した事がありますが、法令ひとつとってみても難解で分かりにくい業務です)こうしたQ&A形式の書籍であれば、法令だけ読んでも理解できない部分を補う事が出来る大変有益な専門書だと思います。教務・教職関係業務に携わる人は必携の書だと思います。

大学の教員免許業務 Q&A (高等教育シリーズ)

大学の教員免許業務 Q&A (高等教育シリーズ)


11.ASAGAO kyoto-u メーリングリストに登録して、高等教育関連イベント情報を押さえる

ASAGAOメーリングリスト京都大学高等教育研究開発センターが提供するメーリングリストで、主としてFD関連の情報が多いですが、高等教育全般のイベント情報がたくさん配信されてきます。全国津々浦々で開催されるイベントについて、教員・職員問わず色々な情報が流れてきますので、大学職員として押さえておきたい情報源のひとつです。


12.岩波新書の「大学とは何か」を読んで、大学の成り立ちを知る

社会学者で東京大学副学長・東京大学大学院情報学環教授の吉見俊哉氏が執筆し、2011年7月に発行された書籍です。新書ではありますが、大学が誕生した起源からその後の発展や変質を先行研究をレビューしながら、これからの大学に求められているものは何かということを非常に分かりやすくまとめています。人々が「大学」を語る場合、自分自身の経験や人づてに聞いた内容を元にしていることが多いのですが、現代の大学が成立する根幹となった思想や制度など、歴史的な経緯から大学を捉えることは非常に重要です。そういった意味でもこれから大学職員を目指す人に必読の書だと思います。(個人的には、関連する先行研究を巻末で紹介している点にとても好印象でした)

大学とは何か (岩波新書)

大学とは何か (岩波新書)

昨今、中央教育審議会大学分科会の部会でも「大学は何故変われないのか?」といった民間議員と大学関係者の激しい意見交換が行われていたようですが、大学のガバナンス改革に関する審議まとめ*5や学校教育法の改正案が国会で成立*6するなど、大学のガバナンスを巡る議論は目まぐるしく動いています。そうした高等教育行政の変化を踏まえて、大学は自らの組織を如何に動かしていくか?を考える上でも、書籍の名称どおり「強化」に繋げられる理論・事例が多く紹介されています。

このように大学職員になってからも知っておくと役に立つ情報は色々あります。日々の業務に加えて、何かと役立つことが多いこともありますので、これから大学職員になる方には是非押さえておいてほしいところです。

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*1:大学職員のSNS『大学職員.NETWORK』が開設から10年 http://blog.university-staff.net/archives/2015/10/22/snsnetwork10.html

*2:大学職員の能力を高めるために、高等教育関連の学会に入会してみよう http://d.hatena.ne.jp/high190/20121014

*3:JAFSA https://www.jafsa.org/

*4:大学事務組織研究会 https://juam.jp/wp/jimusoshiki/

*5:「大学のガバナンス改革の推進について」(審議まとめ)(平成26年2月12日 大学分科会) http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/houkoku/1344348.htm

*6:閣法 第186回国会 80 学校教育法及び国立大学法人法の一部を改正する法律案 http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/keika/1DBAD6E.htm