Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

横浜市立大学図書館で貴重な地方史資料を有効活用

high190です。
大学図書館の蔵書というのは、その大学の価値を測るひとつの指標でもあります。
横浜市立大学では、東京大学国立国会図書館にも引けを取らない地方史資料を所蔵しており、大学の特色のひとつになっているようです。


横浜市立大(同市金沢区)が、図書館に収蔵する約4万8000冊の「地方史コレクション」を広く市民に活用してもらおうとPRしている。蔵書数は全国でもトップクラス。1月に市民向けの公開講座を実施したところ、定員の4倍近い募集があり、今後も同様の講座を開くことを計画。大学側は「各地の歴史を読み比べて」と呼びかける。【高橋直純
同大によると、地方自治体や郷土史家による地方史編さんが盛んになり出した1950年代後半から収集を開始。限られた予算の中で特色を出そうと、当時の司書が、無償配布されることが多かった地方史に目をつけたのがきっかけとされている。現在も年間約100冊が加わり、蔵書は国立国会図書館や東京大の図書館などと並ぶ規模という。
多くは書庫に並び、都道府県ごとに独自の分類番号を付けるなど検索しやすいように工夫。沖縄県からの利用者もいるという。
地方史は一般に流通することが少なく、大学側は自治体に献本を募っている。だが、発行部数が少ない一方で、分厚い作りでコスト高になりがち。近年は財政難の影響で、地方史作りを中止したり、有料配布するケースが増え、収集も難しくなっているという。
司書の森本文江さんは「半世紀かけて作られたコレクションを途絶えさせたくない。(自治体だけでなく)一般からの献本も受け付けている」と訴えている。
ただ、せっかくのコレクションだが、学生の利用者が少ないのが実情。同大は市民にも活用してもらおうと、1月に地方史の研究・編さんに関する問題を解説する市民向け講座を開講した。普段は入れない書庫に入れるとあって、定員約30人に約110人が応募。予想以上の人気に、同様の企画を計画中だ。同大国際総合科学部の本宮一男教授(日本史)は「全国の地方史を読み比べてみるのもおもしろいはず」とアピールしている。
大学関係者以外は書庫には入れないが、閲覧は可能。県内に在住在勤であれば、貸し出しも受け付けている。インターネット上の図書館目録検索から蔵書を確認できる。詳しくは、同大学術情報センターのウェブサイト(http://opac.yokohama-cu.ac.jp/)へ。

大学の特色のひとつとして、図書館の独自性がピックアップされるのはとても良いことだと思います。
市民向け講座を開講したところ、予想以上の人気があったそうです。これも特色を求めて図書館で資料収集をしてきた証。図書館はまさしく大学の色を反映する鏡でもあります。

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