Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

准教授から異例の学長就任 名古屋音楽大学

high190です。
名古屋音楽大学の新学長に准教授の方が就任するとのニュースがありました。
准教授から学長に就任するのは極めて異例とのことです。


名古屋音楽大学名古屋市中村区)は8日、新しい学長に同大准教授の高橋肇氏(46)=政治学=を選んだと発表した。任期は9日から2012年3月31日まで。准教授が学長になるのは極めて異例。
同大によると、少子化の影響で、昨年の入学者は定員の180人を下回るなど、厳しい状況が続いている。高橋准教授は昨年11月の学長選挙で、音楽学部長を破った。32人いる専任教員の中で4番目に若く、音楽畑ではない若手に大学運営を託した形だ。
高橋・新学長は1993年3月に名古屋大大学院法学研究科博士後期課程を単位取得退学。96年に名古屋音楽大専任講師、2002年に同大助教授、07年に同大准教授。学長就任後も、准教授として一般教養の講義で政治学を受け持つ。

普通、大学の学長というと「その大学の専門分野の大家で著名な研究者(当然ある程度は高齢)」をイメージします。
大学の学長がどのように選ばれるのか興味がわいたので、学長の選考について他大学ではどのような手続きを経ているのか調べてみました。

国公立大学の場合】
学長選考会議や学内選挙で選考することが多いようです。

【私立大学の場合】
私立大学では理事会が学長を任命するため、理事会に決定権があります。
学校法人の役員を選任する際の根拠法令は私立学校法ですが、学校法人が設置する学校の校長(学長及び園長を含む)は、理事となる必要があるため、学長の任命は理事会で行うことになります。(私立学校法第38条第1項第1号)

したがって私立大学の場合、新学長就任のニュースには「理事会が任命した」と書かれているのがほとんどです。

名古屋音楽大学は文字通り音楽を専門とする大学で、学部を卒業すると学士(音楽)の学位が授与されるそうです。
新学長のお顔も下記URLから見ることができますが若々しいですね。しかし、32人いる専任教員のうち4番目に若い方が学長に就任するとは・・・かなり思い切った人事だと思います。*1

今回選任された新学長は音楽とは異なる法学部出身者ですので、理事会として若い学長に任命することで大学の活性化に繋げることが狙いでしょう。
しかしながら、若い新学長に対して学内から反発があるかも知れません。これからどのように大学運営をしていくのか、新学長の舵取りが注目されます。

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*1:ちなみに埼玉県にある共栄大学の学長も40代の方です。「若い学長」が最近の大学では増えてきているようです。【共栄大学学長挨拶】http://www.kyoei.ac.jp/univ/shokai/gakucho.htm