Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

東北芸術工科大学のエンロールメントマネジメント

high190です。

東北芸術工科大学では、事務組織再編に併せて学科別の担当職員を1名置くことで、きめ細かい学生サービスの実現を目指しています。
これもエンロールメントマネジメントですね。


入学から卒業まで継続的に学業や就職活動の支援をします――東北芸術工科大(山形市、松本哲男学長)は10月からきめ細かく学生の面倒をみる「担当職員」を各学科に1人置く。学生と大学職員の連携を密にしキャンパスライフをより充実させるのが狙いだ。
大学の説明によると、事務局組織のうち「教務課」「学生課」「就職支援室」を「教学事務室」に再編統合し、8学科の各実習棟に担当職員を配置する。1年時から学業や生活面を継続的に支援し、就職活動もサポートする。
五十嵐真二・事務局長によると、組織再編のきっかけはこの夏にヒアリングをした若手職員の意見だという。これまでの大学の就職指導について、「メンタル面や単位取得に問題を抱えている学生がいても、お構いなしに就職支援をしている。事情が分かっていたら、個別の指導が出来るんじゃないか」と、縦割りの弊害を指摘された。
五十嵐事務局長は言う。「就職活動が本格化する3年生になって、急に就職指導の職員が学生の前に現れるのが今の体制。これを変える必要があると考えた」。手探りのスタートとなる。「8人の担当職員が週1回集まって話し合う予定。みんながパイオニアだから、うまくいったやり方を参考にすればいい」
企業動向や選考方法などの知識が必要な就職支援は一番の課題と言える。専門家を招いた職員研修も行う予定だ。

以前、学生課に勤めていた時、学生さんから「大学には色々な部署があって、どこに相談しに行けばいいのかが分からない」という相談をいただいたことがあります。私はそういった質問をもらった場合、「どんな内容でもいいから、私のところに聞きに来て下さい。必要に応じて他の部署に話を引き継いで分かるようにしておくから」と伝えていました。学生にとっては「どんな内容か」ということも大切ですが、「誰に聞けばいいのか」も大事なことです。
東北芸術工科大学の取り組みは、学生と大学をFace To Faceで繋ぐための役割を職員が担う、とても良いものだと私は思います。また、担当職員が横断的に情報共有することで、職員のモチベーション向上にも繋がります。窓口業務は、職員にとってはいつもの対応でも、学生にとっては初めての質問であることも往々にしてあります。学生に大学に対する好感を持ってもらうためには、日常から職員の意識向上を図って、適切かつ親切に対応できるような準備が必要であることを、この記事を読んで感じました。

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