Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

りそな銀行員が立命館大学職員に出向、大学の経営ノウハウを伝える

high190です。

立命館大学りそな銀行が人材交流を始めたそうで、りそな銀行員が大学に出向して、銀行の経営ノウハウを大学に提供するそうです。


立命館大びわこ・くさつキャンパスBKC滋賀県草津市)に、りそな銀行(本店・大阪市)の行員が出向し、“大学職員”として勤務を始めた。大学は銀行から経営ノウハウなどを学べ、銀行は大学の実情や研究を把握して事業拡大に生かせるなど、互いにメリットがあると判断。金融業界では珍しい取り組みという。
昨年、大学側がイベントなどを通じてかかわってきた同銀行に話を持ちかけ、銀行側も快く応じた。
派遣されたのは、大阪市内で法人営業を担当していた吉田明弘さん(38)。主に営業畑を歩み、約10年前に兵庫県内の私大の営業も経験した。同大学の産学連携の拠点「理工リサーチオフィス」に出向し、事務作業はもちろん、機密事項が含まれる研究成果の特許出願検討会議にも出席している。
出向期間は来年6月末まで。銀行へ復帰した後は産学連携分野の専門部署に所属し、大学を融資先の中小企業に紹介するなどの業務に就く予定という。吉田さんは「これまで銀行は、『研究成果がお金になるのかどうか』ばかりを考えていた。大学側がどんなニーズを持っているのか把握して、銀行が企業との仲介役になるべき」と話している。
りそなホールディングスは「今回の提携が大学と、銀行や融資先企業との架け橋になる」と期待を寄せ、立命館大も「これからは研究にも市場や経営の発想を取り入れることが必要。吉田さんが大学で働くことで、研究者や職員に経営感覚が身に着けばありがたい」としている。

最初に話をもちかけたのは立命館大学側とのこと。
記事の中で興味深いのは、出向している吉田氏が「銀行は大学の研究成果がお金になるかどうかばかり考えていた」と述べているところです。企業としては取引先として儲かるかどうかを考えるのが必然な訳で、逆に大学側が研究成果をお金に換えるノウハウを持っていなかったことが問題な訳です。立命館が出向を受け入れる理由はここにあります。

逆に大学職員が企業から「ノウハウを伝授してほしい」と言われるようになったら面白いんですけどね。教員の場合はたくさん事例があるんでしょうけど、職員だとそういったお話はあまり聞きません。企業と大学の懸け橋になる職員がもっと出てくると、大学はもっと魅力的な職場になるんじゃないかな、と思います。

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