Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

親の収入と子どもの学力の相関。そして、学生へのアプローチ方法。

high190です。
昨年度の全国学力テストの結果をお茶の水女子大学の教授が分析したところ、親の収入と子どもの学力には相関があるとの調査結果が出たそうです。


(赤字部分はhigh190による強調)

親の所得が高いと子供の成績は良いが、低所得でも親の心がけ次第で学力向上につながる――。昨年度の全国学力テストの結果を、文部科学省の委託を受けたお茶の水女子大の耳塚寛明教授らが分析した結果、そんな傾向が出ていることが4日、明らかになった。 全国学力テストの結果と親の所得の関連を追った調査は初めて。絵本の読み聞かせなども成績向上に効果があり、耳塚教授は「経済格差が招く学力格差を緩和するカギになる」と話している。
調査は、全国学力テストに参加した小6のうち、5政令市から100校、計約8000人を抽出し、親と教師を対象に学習環境などを調べた。
世帯収入と平均正答率(国語と算数)の関係を見ると、高所得ほど正答率も高い傾向がみられ、最も平均正答率が高かったのは、1200万円以上1500万円未満の世帯。200万円未満の世帯と比べると平均正答率に20ポイントの開きがあった。
親が心がけていることについて調べたところ、高学力層の子供の親は、「小さい頃から絵本の読み聞かせをした」「博物館や美術館に連れて行く」「ニュースや新聞記事について子供と話す」といった回答が多かった。このうち、「本の読み聞かせ」や「ニュースを話題にする」は、親の所得に関係なく学力向上に一定の効果がみられたという。
調査では、学校での取り組みも調べた。家庭環境にかかわらず、児童にあいさつを徹底したり、教員研修を積極的に行ったりしている20校では、学力向上に一定の効果がみられた。

上記記事で強調した部分は、子どもが小さいころから、知的好奇心を呼び起こすような取り組みに効果があることの裏付けになります。また、挨拶であったり教員の研修であったり、日常の積み重ねによって学力向上に繋がる取り組みがあることも興味深いです。

以前、親の日常行動と子どもの学力には強い関係性があるという記事を書きました。

このように、子どもの教育には良い環境を提示することが親にとって重要なポイントになることが分かります。また、子どもを育てる上では親自身が自らの学ぶ人であればあるほど、子どもの自然と勉強するようになるようです。子どもを「勉強しなさい!」と叱りつける前に、自分自身の行動を見直してみることが子どもにとっても親にとっても大切なことですね。


さて、ここから大学に置き換えてこの問題を考えてみると、大学においてもキャンパス内で日常的に挨拶が自然と出てくるような「仕掛け」はあると面白いのかも知れません。大学生の学力と挨拶する習慣の相関についての調査結果を私は残念ながら存じませんが、学生指導という観点からも無視できないものではないでしょうか。
就職指導の面でも挨拶の仕方をキャリア教育に組み入れている大学もたくさんあるのではないかと思いますし、学生のコミュニケーション能力向上に頭を悩ませている大学はたくさんあると思います。

まずは教職員から、学生に声をかけてみてはどうでしょう。ちなみに私はキャンパス内ですれ違う学生には必ず声をかけるようにしています。「おはよう」であったり、「こんにちは」であったり。


しっかり相手の目を見て挨拶すれば、どんな学生でも必ず返事をします。そういったことを繰り返していれば、そのうち学生の方から挨拶してくるようになります。
このように改善材料は日常行動の中に転がっていて、そのことを定着化させていければ改善が広がりをもってきます。私の個人的な心がけもまだ始まったばかりですが、必ず定着化させて習慣化させたいと思っています。

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