Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

学術論文のオープンアクセス化を進める大学職員がいる

high190です。

研究者にとって、情報の共有ってとても重要なことのようです。自分がいまやっている研究と同種のものがどれだけあるかを知ることが研究活動に大きな影響を与えます。先行研究の調査にも情報検索の技術を活用しないと、学術書を何冊も読んだりとか、なかなか大変なことになりそうです。学術論文がWeb公開されてテキスト化されればキーワード検索が可能になりますので、オープンアクセス化は学術活動の深化にも繋がる可能性があります。

インターネットの普及に伴い、世界中の研究者が書く学術論文の公開方法に大きな変化が起きている。出版社から学術雑誌を購入して論文を読むというスタイルに代わり、ネット上で電子化された論文を読むことが主流となった。同時にネット上の論文を無料で閲覧、検索、配布などができるようにする「オープンアクセス(OA)」の試みが進んでいる。日本で昨年、本格始動した一つのOA活動を切り口に、すべての市民の手に学術情報を共有しようとするOA化の取り組みを探った。

このサイト、クリエイティブコモンズにも対応しているんですね。投稿できるファイルタイプも

    1. Microsoft Office書類(.doc (Word etc.)、.xls (Exccel etc.)、.ppt(PowerPoint etc.))
    2. Adobe PDF書類 (.pdf (Acrobat etc.))
    3. 画像ファイル(.gif、.jpg (.jpeg)、.png

一般的に使用するファイルはほとんど投稿可能です。査読のない論文でも投稿可能だそうですが、コメント・スター機能を搭載しているため、閲覧者からの意見を求めることができます。作ったのは大学職員とのことですが、これだけのサイトを構築できるってことはIT業界からの転職組の方でしょうか?ちょっと気になります。それか図書館司書の人とかかな。
なお、論文のデジタルアーカイブ化については、海外でも積極的に推進する動きがあります。


マサチューセッツ工科大学(MIT)が2009年3月18日、全学一致で、研究成果のオープンアクセス化を義務付けるポリシーを採択しました。大学学長オフィスが機関リポジトリで一般公開するとされています。なお、しかるべき理由によるオプトアウトが認められています。

MITでは全学一致でオープンアクセスを義務化しました。まあ、元々オープンコースウェアなど知識のオープン化の先駆者的な大学ですから、このような動きにも納得がいきますが、日本においてもこれから求められてくることであるのは間違いありません。

(2009/4/29追記)

投稿されている論文等の中から、私が面白そうだと思ったものをいくつか挙げておきます。

ブログをやるとどういうメリットがあるのか?ということがうまくまとめられています。



Upload by MyOpenArchive

以下はまだちゃんと読めていないのですが、タイトル的に心惹かれるものがあります。

ハーバード大学のカリキュラム改革についての論文2件。書いているのは桜美林大学大学院の方。投稿されている論文を見てみると自分の関心のある領域についての意見が色々と出てくると思います。時間のあるときに色々と調べてみるのも新たな学術的知見の発見に繋がるかも知れませんね。

(2013/09/20追記)
日本の学術論文オープンアクセスの先駆者であるMy Open Achiveですが、id:keitabandoさんのブログにて、誕生6年目にして一旦サービスを閉じるとのリリースが出されました。*1なお、今後の動向についてのコメントが出されていますので、これからも日本のオープンアクセスのフロントリーダーとしてのご活躍を楽しみにしています。

一旦はサービスを閉じるMyOpenArchiveですが、これは決してMyOpenArchiveが終わった訳ではなく、既に新しい構想の検討と実現化に向けた行動に着手しており、これまでのMyOpenArchive精神を引き継ぎ、新たな装いでみなさまにお披露目できるよう楽しんで頑張っていますので、引き続きの叱咤激励よろしくお願いします。

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*1:MyOpenArchive、6歳おめでとう。そして、6年間おつかれさま。 http://keitabando.org/2013/09/16/myopenarchive6th/