Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

ムサビ(武蔵野美術大学)の広報力はすごい

high190です。
今日は先週土曜日に出勤した分の代休でお休みです。地域連携のイベントだったんですが、地域の方々を大学にお招きすると色々な声が聞けて参考になりますね。どんなイメージを持たれているか、期待されることは何かなどなど個人的に収穫が大きかったです。

さて、今日は大学広報に関するお話をひとつ。
ブログを活用しようと目論んでいる大学は数多くあると思いますが、その中で最もブログを上手に活用していると思われるのが武蔵野美術大学です。何よりもこの大学にはムサビ日記の手羽さんがいるわけで。そんな武蔵野美術大学の広報手法を紹介する記事がありました

今回は、武蔵野美術大学(通称ムサビ)の学生が綴るブログ “ムサビ日記” の管理人としても注目の、手羽イチロウさんを訪ねてお話を伺ってきました。手羽氏は同校の企画広報課を経て、現在は法人企画室で来年訪れる開校80周年記念のプロジェクト運営も勤めるなか、“ムサビ日記”の運営をされています。そんな手羽氏に、同校の魅力について聞いてみました。

ブログを始めた理由の部分ですが、

「新入生向けアンケートの“受験生の時に知りたかった大学の情報ってなに?”という質問に対して、“入学後をイメージできる学生の生の声”という要望が非常に多かったことがきっかけになっています。確かに、オープンキャンパスや進学説明会で、受験生が在学生とコミュニケーションを取れる機会はありますが、それ以外ではなかなか受験生が一番知りたい“学生の生の声”を届けることはできません。美術大学ということで、学生の作品を展示する機会もありますが、これも完成した状態を公開するに留まります。謎な存在である美大生は何に悩んでいるのか、何を嬉しく感じているのか、そのリアルな感情を伝えることに大きな意味があると思いました。そのためにはどうすればいいのか。これは、学生が日常を日記風にして公開すれば伝えられるのでは!とブログを開設することにしたんです。また、本学にはOBにリリー・フランキーさんやみうらじゅんさんがいることでわかるように、いろんなことに興味を持ち、それを文章で表現できる学生が多いので、そこの良さも出していきたかったです。」(手羽氏)

「職員が逐一チェックをかけるより、学生が書いたものをそのまま載せたい。そうでなければ意味が薄れてしまう。でも大学公式ではそれが難しいこともわかっている。じゃあどうすればいいんだ、と悩んだ結果、私が個人的に運営する形をひらめいたんです。形ではなく実を取ったというか、公式でやろうとするから懸念点があがってくるわけで(笑)」(手羽氏)

「学生の生の声を知りたい」という希望をそのまま広報に反映させている大学ってすごく少ないと思うんですよね。情報のスクリーニングというか、校閲というか生の声は出したがらない。もちろん、昨今のmixi等での犯罪を匂わすようなWeb上でのコメントには問題がありますが、もっと学生の意見を正直に外に発信していくということも必要なんじゃないかと思います。公式コンテンツでは難しいので、個人的に始めるというソリューションが生まれたんですね。
とかく公式にこだわる大学業界な気が個人的にするんですけど、ブログって自由度が高くないと続かないし、書いてる本人が楽しくならないんですね。最初はモチベーションが高くても、だんだんとやらされている感が出てしまう。

武蔵野美術大学さんのようにやりたい大学はたくさんあるんでしょうけど、大学として広報に対してどんなマインドを持っているか?ということが一番大切だと思います。単純にまねるんじゃなくて、自分の大学にとって最もいい形を模索する必要がありますよね。それにしても、ブロガーも有名になるとこれだけの力を発揮できるんだからすごいです。ぶっちゃけ、こうした取材の場合は広報費はかからない訳ですけど、すごい広報効果がありますよね。最近は大学プレスセンターとかにリリースを出す大学も増えていますけど、ブログの力が発揮できればこれだけの効果があるということも今後の参考です。

追記:
実は私の勤務校って、ムサビさんにほど近い場所にあるんですよね。せっかくなので、今度何かの機会があったら是非お伺いしたいなと思ってます。ちなみに今年の卒展行こうと思ってたんですけど、急な用事が入っていけませんでした。来年あたりは行きたいとこです。ちなみに今回は手羽さんの顔写真がしっかり出てます。そういうとこも含めて大学業界の有名人ですね。

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