Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

大学の食堂で広がりを見せるテーブル・フォー・ツー

high190です。
低カロリーのメニューでかつ食事代の一部を発展途上国向けに寄付する「Table For Two」という運動があります。
昨年、大妻女子大さんで実施していることを記事にしました。

身近な食事から国際問題を考えることができるとして、熊本大学の学生食堂が取り入れたそうです。


低カロリーの食事を取り、食事代の一部をアフリカの開発途上国へ寄付する「TABLE FOR TWO(テーブル・フォー・ツー、TFT)」運動が熊本大学の学生食堂に取り入れられ、学生らから「ダイエットに効果的で、国際貢献もできる」と評判を呼んでいる。(柳井宏治郎)
先進国の食生活は、栄養過多で肥満などによる生活習慣病に悩む人が多い。一方、開発途上国の多くは食糧難で、子どもへの給食も満足に実施できないのが現状だ。
TFT運動は2007年、日本で始まった。開発途上国で1食分の給食費にあたる20円が代金に上乗せされ、寄付金となる。提供されるメニューは、栄養バランスに配慮した内容で、健康を気遣いながら、開発途上国の学校給食の充実にも貢献出来ることから、国内で約110の企業、団体が実施し、運動は世界に広がっている。寄付金は、東京のNPO法人が窓口になり、国連などを通じてアフリカのウガンダルワンダなどに届けられる。
熊本大では、国際課の職員が提案し、1月5日から始めた。国立大学では初の試みという。「1食680キロ・カロリー〜800キロ・カロリー」「栄養のバランスがとれている」「野菜を多く含む」――を基準に、カレーライス(390円)やそば、うどんの和麺(わめん)セット(420円)などのメニューを提供。5日までの1か月間に926食を販売、1万8520円の寄付が集まった。
TFTのメニューを約10回食べたという理学部1年日高拓哉さん(19)は「低カロリーで昼食にはちょうどいい。食べるたびにアフリカの子どもたちに寄付できるので、今後も利用したい」と話していた。
2日からは、外来患者らの利用も多い同大付属病院(熊本市本荘)内の食堂でも始まった。同大の菊地晋一・国際課長は「予想以上に多くの人が利用してくれた。学生にとって、途上国に関心を持ち、自らの食生活を見直すいいきっかけとなっている」と話している。

熊本大学の場合、国際課の職員が提案したことでTFT運動が始まったそうです。食事は人間にとって欠かすことのできないものであり、そこから国際問題や貧困に考えてもらおうという取り組みは、学生にとっても面白いことなのではないでしょうか。
普段何気なく食べている食堂の昼食も、TFT運動のおかげでより大学の食堂を使おう!という販売促進にも繋がるかも知れませんし。国際問題への関心という点もさることながら、学内の食堂を積極的に活用してもらうという点でも、大学にとってメリットの大きい施策なのかも知れません。

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