Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

山形大学の新機軸、アドミニストレィティブ・アシスタント制度

high190です。
新年になってからなのか、最近はまた大学に関する新しい話題を目にするようになりました。個人的に気になったのは、「専門学校化する大学」という記事。まあ、大学の就職予備校化とか今までもメディアには色々言われてきてますが、専門学校が1条校になると言われているぐらいですから、一部の大学が専門学校化するのも高等教育のユニバーサル段階にあることを考えるとあながち問題でもなさそうな気がします。

そうした後ろ向きの話題よりもやっぱり物事は前向きにとらえていきたいものです。
FDネットワークつばさを創設するなど、前文部科学次官の結城学長が就任してから様々な改革を行っている山形大学が、アドミニストレィティブ・アシスタント制度というものをスタートさせるそうです。


山形大の結城章夫学長は6日、記者会見し、今年の大学の行動計画となる「結城プラン2009」を発表した。学生がアルバイトで大学運営スタッフの一員として働く「アドミニストレィティブ・アシスタント(AA)制度」などを盛り込んでいる。
結城学長は昨年から結城プランを作成し、年末に達成状況を検証している。昨年は153プランのうち82%を達成したという。山形市の小白川キャンパスの3学部が連携した新大学院の創設構想などは、継続の検討課題になった。今年はプランを58に精選して策定した。
AA制度は学生の修学支援が目的で、学生が大学の企画、運営、社会連携などの補助スタッフとして働き、奨学資金を得る仕組み。賃金はほかのアルバイトの例を参考に決める方針で、約200人を採用する。
結城学長は「ホームページの管理や高校訪問などいろいろな仕事が考えられる。一種のインターンシップ(就業体験)で、教育的な側面もある」と話す。

補助スタッフとして働く、ということですから大学運営の一角を担ってもらうということですね。
ちなみに同種の取り組みとして、北海道医療大学の学生副学長制度があります。

こちらは予算も付けて学生に権限を与えてプロジェクトを実施させるスタイルを取っています。山形大学の場合は、就業体験の一部として大学運営を想定しているようなので、そこまで学生には大きな権限を与えないのだと思います、たぶん。ただ、個人的な経験から考えると「教育的側面」を標榜するならば当然「教育係」が必要になるんですよ。これは職員ということなんでしょうか?というか職員がやるべきだと思いますね、えぇ。

学生を大学運営の現場に呼び込むことで、より学生の生の声を引き出しつつ、学生の就業体験にも繋げたいということですね。せっかくやるんですから、任期終了後に大学のことも評価してもらうといいと思うんですよ。「この活動は就業体験として役に立ちましたか?」と聞いて評価してもらった上で、もう一度プランを練り直すこともできますしね。

今までも同種の取り組みは実施されてきていますが、「アドミニストレィティブ・アシスタント」という言葉が定着して全国に広まるぐらい、山形大学の奮闘に期待しています。

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