Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

日本の大学スポーツを盛り上げるのに必要なこととは。

high190です。
大学スポーツ、というと箱根駅伝早慶戦を思い浮かべます。伝統の一戦と言われるものには歴史が付いてまわるもので色々なドラマが過去にありました。
日本総研が日本の大学スポーツを盛り上げるためには何が必要なのかを調査したそうです。


ハーバード大学対エール大学、UCLA対USCなど、ライバル校との対戦に人気が集まる米国の大学。一方で日本の大学生または大学卒業生に「スポーツのライバル校はありますか?」と聞いたところ、「ある」と回答したのは34.9%。日本の大学スポーツにおいて、ライバル校の存在を認識しているのは少数派であることが、日本総合研究所の調べで分かった。
また互いがライバル校として認め合っているカードは「早稲田対慶應義塾」や「立命館同志社」などわずかで、対戦種目は「野球」がトップ、以下「ラグビー」「アメリカンフットボール」「駅伝」「サッカー」と続いた。
ライバル校との対戦を積極的に企画することが、大学スポーツの観客増につながりますか? との質問には「思う」(29.5%)と「まあそう思う」(48.8%)を合わせると78.3%。特にライバル校が「ある」と回答している人は、観客増につながると「思う」人の割合が高いことも明らかになった。「日本の大学スポーツで盛り上がっている試合は早慶戦など、限られたカードにとどまっている。現状を打破すことができれば、大学スポーツは盛り上がるだろう」(日本総合研究所
インターネットによる調査で、全国の現役4年制大学生・大学院または4年生大学・大学院の卒業生1002人が回答した。調査期間は10月28日から10月30日まで。

現状を打破できれば、ですか。ただ、スポーツにはお金がかかりますので、昨今の経済状況を鑑みてもなかなか現状を打破するための処方箋というものはなさそうです。

大学スポーツのエンターテインメント性を高めるためには、どのようにすればいいのだろうか。最も多かったのは「チアガールやマスコットによる華やかな応援」で62.4%、次いで「スタジアムの周りに食べ物の屋台を出店する」(50.0%)、「オーロラビジョンによる演出」(39.4%)だった。大学のマスコットとして望ましいキャラクターは「動物をモチーフにしたキャラ」(36.8%)がトップ、以下「強そうな動物・人物・架空の生き物」(35.7%)、「ゆるキャラ」(30.9%)の順に。また全体で3位だった「ゆるキャラ」は、女性の42.0%、20代の43.3%が支持。
大学スポーツを観戦する際、おそろいのウェアを着ることについて「盛り上がると思う」(28.8%)、「まあ盛り上がると思う」(45.5%)の合計が74.3%。「大学スポーツの新たなファン層を獲得するためには、女性や若者(20〜30歳代)へのアプローチは欠かせない。これらの層は『ファッション』や『ゆるキャラ』に対する関心が高い。また『おそろいのウェアを着て観戦』することに肯定的な人が多いので、『今の若者=集団行動を好まない』と悲観的になる必要はなさそう」(日本総合研究所)としている。

エンターテインメント性を高めるということは、スポーツに限らず、ある意味でユニバーサル段階に入った大学が取り組まなければいけない施策のひとつではないでしょうか。講義にしても学内のイベントにしても面白さを取り入れていかないとなかなか学生の興味を引くことはできません。

つまりは「今の学生が何を求めているのか?」に敏感であることが必要で、そのためには積極的に学生の声を聞き取って大学運営に反映させていくことが重要だと思います。ちなみ個人的に興味を引いたのは、「おそろいのウェアを着る」ことへの抵抗感が少ないということ。でも、キャンパス内に目をやれば服装にこだわりのある学生はたくさんいそうですので、デザインにもちょっとしたこだわりが必要なんじゃないでしょうか。

UI(University Identity)がしっかりしていれば、色々なことに使えますし、大学のカラーを明確にすることができます。スポーツのいいところは一体感を高める効果があること。大学への帰属意識を高める上でも、UIを活用したキャンパスグッズを作成して学生に配布(ただし先にも述べたようにお金の問題が...)、応援イベントを組んで皆で応援する・・・もっとそんな機会が増えたらいいなと思います。キャンパスグッズが学生によく売れるような仕組みを作ることも大事ですよね。

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