Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

東大農場のコメから禁止薬物が

high190です。
東京都の西東京市東京大学の農場があります。そこではコメを栽培して近隣の人たちに提供しているそうなんですが、実はそのコメから禁止農薬が検出されたということ住民の方々が憤っているそうです。

西東京市の東京大大学院農学生命科学研究科付属農場(東大農場)が使用禁止の水銀系農薬を使ってコメを栽培、販売していた問題で東大は二日、東大農場で近隣住民への説明会を開いた。住民からは「安心して買っていたのに裏切られた」「納得できる説明をしてほしい」など不信感をあらわにする発言が相次いだ。 (奥野賢二)
説明会には約八十人が出席。生源寺真一・農学生命科学研究科長が冒頭、「大変な不安を抱かせる事態を招き深くおわびする」と陳謝した。
大学側は、禁止農薬「酢酸フェニル水銀」を使用しコメを栽培した時期が一九九七−九九年の三年間であるとする調査結果や、健康を害する可能性は極めて低いことなどを説明した。しかし、栽培した職員からの聞き取り調査を基にしており、出席者の多くが「あくまでもその人の意見であって信用できない」などと反発。大学側は「他の職員からも引き続き聴取し、しっかり裏付けをしていきたい」と述べた。
「禁止農薬の使用が十年以上分からなかったことは理解できない」と、管理の不備を問う質問も多く出され、生源寺科長は「重く受け止めたい」と神妙な表情で釈明した。禁止農薬の残液を敷地内に捨てていたことも判明し、土壌や地下水の汚染を心配する声も相次いだ。
大学側は学内の調査委員会での調査を引き続き行うとし、「新たな事実が明らかになり次第、今後も説明会を開きたい」と住民に理解を求めた。
<東大農場> 正式名は東京大学大学院農学生命科学研究科付属農場。1935(昭和10)年に東京府田無町(西東京市)に移転。約22ヘクタールの広さで稲や小麦などの穀物、トマトなど野菜から果樹まで幅広く栽培している。稲は研究田と実習田で栽培され、実習田で収穫されたコメは同農場で販売されている。2003年に千葉県内への移転案が出たが、住民の反対運動に遭い、撤回された。平日午前9時−午後4時半まで一般開放されており、年間来場者数は約1万8000人。

問題は安全性を売りにしていたはずのコメに禁止農薬が含まれていたことで、本来であれば東大側でしっかり情報を把握しておくべきことだったのではないでしょうか。購入していた人たちは「東大ブランド」を信じて安全だと思っていた訳ですから、それを裏切る行為になってしまった以上、早急にブランドイメージの回復に努めなくてはいけません。

(2008/10/07追記)
他にもニュースリリースがあったので参考まで。

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