Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

北海道医療大学が「学生副学長」を任命

high190です。
大学改革の旗手、といえば当然学長がその役を負うのが通常の大学だと思います。何といっても最高責任者な訳ですから。(私大の場合、設置者である学校法人の理事長も最高責任者な訳ですが、あえてここではそのことにはつっこみません)
しかし、大学は学生のためにあるものです。つまり、学生の力を活かさないのはあまりにももったいないことなんじゃないかとhigh190は考えます。もっと学生が主体的に大学改革に関われるようなうまい方法ってないものかなーと思っていたら、非常に先進的な取り組みをしている大学が北海道にありました。「北海道医療大学」です。

北海道医療大(松田一郎学長)は、学生の代表者を「学生キャンパス副学長」として、一人三十万円の活動費を託し、大学運営に広く参画させる制度を始める。十六日、石狩管内当別町のキャンパスで任命式を行った。
同大は大学改革を進めるにあたり、学生のアイデアを取り入れることが必要と判断。欧州の大学に置かれている「学生副学長」を参考に制度導入を決めた。他大学でブランド商品の開発など個別の企画に学生が加わる例はあるが、大学運営に広くかかわる試みは全国的にも珍しいという。
「学生キャンパス副学長」は四つの学部に各一人で、任期は一年(本年度は来年三月まで)。立候補による選挙で選び、本年度は学内のネット投票により四人が信任を受けた。
今後、大学側と連携しながらプロジェクトを考案、実施し、ブログで進ちょく状況を紹介する。当面は学内施設の改善やオープンキャンパス運営に取り組む。活動費は先進事例の視察などの交通費や会議費などに活用する。
任命式では松田学長から四人に任命状と、副学長を示すエンブレム付きのブレザーが渡された。「副学長」の一人、上原尚紘さん(看護福祉学部二年)は「学生が積極的に自分をアピールできるように大学公式の名刺を作ることも提案したい」と、副学長への意気込みを話していた。

学生が副学長ですよ!?さすがにそこまでのことを学生にやらせてきた大学は日本にはないんじゃないでしょうか。活動費として年間30万円が支給され、立候補者を選挙によって選出するということですから、もはやこれは立派な「仕事」ですね。副学長に就任した学生は自らプロジェクトを企画・運営し、大学改革の一翼を担うことになります。任期は1年だそうですので、任期満了時には成果報告会なども行われるんでしょうね。個人的に関心があるのは、ブログで進捗状況を報告するというスタイル。こうした取り組みも情報が早くないとあまり意味をなさない部分があります。「ここ、変えました!」という意見表明がWeb上でできるということはとてもいいことですし、大学広報の一環としても十二分な価値があると思います。

9月16日(火)、選挙により薬学部、歯学部、看護福祉学部、心理科学部から選出された4名の学生が、松田学長よりStudent Campus President(SCP)に任命されました。
学生にはSCPのユニフォームであるブレザーが贈られ、任命式後に、理事長、学長、各学部の学部長をはじめとする教職員が出席する昼食懇談会より正式にSCPとしての活動を開始しております。
今後設置するSCP活動室を拠点に、より良い大学づくりのために教職員とともに各種プロジェクトの企画立案をおこなっていきます。
活動状況については、随時、WEBサイトにて報告していく予定ですので、皆様ご注目ください。

正式名称は“Student Campus President”だそうです。
今後学内にSCP活動室という場所も設置されるようですね。ブログを更新するためのPCなんかも合わせて設置されるんでしょうか?
サポートする教職員にとっても、学生が副学長であるということは非常に面白いことでしょうね。(職員が学生に「こちらの文書の決裁をいただけますか?とか聞いてる姿を想像するとものすごい違和感がありますね。もちろん、書類の決裁を求めるようなことはないんでしょうが)

学生に大学の役職を与えてプロジェクトを企画・運営してもらうというスタイルは今後、他大学でも参考にするところがたくさん出てきそうですね。

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