Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

過保護な保護者への対応と大学経営

high190です。
モンスターペアレンツ、ヘリコプターペアレンツという言葉を耳にする機会が増えたような気がします。大学生の子息に対しても介入してくる保護者への対応ということも、昨今の大学経営からすると重大な課題であると思います。

大学生の入学から授業、進級、就職など、過剰なまでに干渉する「過保護者」が目立っている。大学教職員の多くは、近年に急増したと言う。だが「子離れ不全」として放置できなくなった。大学間の生き残り競争が激しくなる中、各校は保護者サービスにも腐心する。

むしろ、日本の大学の場合は学費はほぼ100%保護者が支払っていると思われますので、教育サービスだけではなく、保護者向けの情報公開や大学の教育方針を明確に明示することが求められているのだと思います。

だが、保護者の実情に詳しい小野田正利・大阪大教授はこうも言う。「今の保護者には大卒が多く、大学を知っているが故に、いろいろ見聞きしたくなるし、高水準の『顧客満足』を求めたくなる。その思いをある程度、大学側が受けとめる必要もある」

日本の大学学費は世界と比較しても高水準だと言われています。教育の一端を担っているとはいえ、保護者からの要請を無視するわけにはいかないですし、逆に保護者を見方に付けていくことが重要なのではないでしょうか。

「過保護の親もこの際、大学の味方につけ、就職まで一緒に学生を後押ししてもらう」。ある大学の渉外担当者はこう話す。

大学選びの際に、保護者の方が重視するのは「ブランド」か「口コミ」ではないでしょうか。前者のブランドはわずかな大学しか持たないものですが、後者については各大学が保護者をどのような位置づけで考えるかによって大きく変わってくると思います。ある意味では株主と経営者の関係に似ているような気もしますね。

もはや大学は保護者の存在を見過ごせなくなっています。戦略的に保護者を活用することがこれからの大学には必要になると思います。

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