Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

研究指導の厳しさとアカデミックハラスメントの境界

high190です。
厳しい指導で人は成長することができる・・・私もこの意見には賛成です。目標を立てるにしても、自分で目標を設定する場合、気づかない内に限界がどの程度かを決めてしまっていたり、自分の考えにもバイアスがかかることがあるんですよね。もちろん、そうでないこともありますけど。
大学での学びにも厳しさがあると思います。また、厳しさを捨て去るべきではないと思いますが、行き過ぎるとアカデミックハラスメントになってしまうのも事実です。

学生に暴言を吐いて精神的苦痛を与えたなどとして、金沢大は16日、同大医薬保健研究域(当時大学院医学系研究科)所属の准教授を出勤停止6カ月の懲戒処分にした、と発表した。
大学によると、准教授は昨年7月ごろ、研究ボランティアの学生6人に深夜までの作業を指示。「ボランティアを辞めたい」と伝えた学生のリーダーに「人間失格」など暴言を吐き、学生は通院するほど体調を崩した。この准教授は05年度にも卒業研究の指導で暴言を吐き、学生が半年間通院したという。
准教授はハラスメントの事実を認めていないという。

この記事だけでは判断できませんが、学問を追及する厳しさとアカデミックハラスメントの境界はどこにあるのでしょうか。こうした内容について、ジャッジすることはとても難しいですが、教える側が何らかの信念に基づいて行動しているところに問題の根幹があるような気がします。しかし、それが教育的な信念に基づいて行われていたならば、情状酌量の余地もあるのか・・・
このように考えると指導とハラスメントの境界は極めて曖昧なもののように感じます。

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