Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

大学読書人大賞の公開討論会が開かれる

high190です。
以前にもお知らせした、大学読書人大賞

「大学読書人大賞」が大学の文芸部員らの手で設立(2007/12/11)

いわゆる大学の文芸系サークルに属する人たちが、大学生に読んで欲しい!と思う本を決めようという試みが始まったものです。
今年の1月までに候補作品を選別して、5月に大賞を発表するという流れだったのですが、準備が着々と進んでいるようです。決定の方法はなんと討論会!おまけに公開されるみたいです。

大学の文芸サークルに所属する学生が「大学生に読んでほしい本」を選ぶ「大学読書人大賞」(同実行委、財団法人出版文化産業振興財団主催)が創設され、ノミネートされた5作の中から、大賞を決める学生による公開討論が4日に行われる。
予備投票で上位5作にノミネートされたのは、直木賞作家の桜庭一樹さんの「青年のための読書クラブ」、「図書館戦争」で人気の有川浩さんの「塩の街」、ライトノベルの「人類は衰退しました」(田中ロミオ)、SFの名作でこのほど新訳版が発行された「幼年期の終わり」(A・C・クラーク)、三島由紀夫賞受賞作家の佐藤友哉さんの「1000の小説とバックベアード」。
同賞は全国25大学から30の文芸サークルが参加。06年12月1日から07年11月30日までの1年間に発刊された本から「大学生に読んでほしい本」を基準に大賞を選ぶ。大賞は、ノミネート作を推薦したサークルの中から選ばれた各大学の代表による公開討論で決定する。
主催の出版文化産業振興財団では、「20歳前後の若者が読むのに適した作品はたくさんある。そうした本を同世代の目で選んでいこうという試みで、既存の文学賞では選ばれないような作品を幅広く取り上げた」と話している。
討論会は午後2時半から、東京・上野の東京都美術館講堂で。入場無料。

うちの学生たちと話していて感じることは、語彙力のある学生とそうでない学生の差が非常に激しいこと。そこで話を少し相手に振ってみると、語彙力のある学生はやっぱり普段から読書をしているみたいです。ぱっと見たときには分かりませんが、語彙力は話してみると非常によく分かるだけに、できるだけ学生のうちに多くのよい本に親しんでもらえたらなぁと思うわけです。別に最初から難しい本を読む必要がある訳ではなく、「読む」という習慣さえ付いていれば、その後が楽だというものです。

ちなみに今回のノミネート作品ですが、こんなラインナップになってます。

青年のための読書クラブ

青年のための読書クラブ

塩の街

塩の街

人類は衰退しました 3 (ガガガ文庫)

人類は衰退しました 3 (ガガガ文庫)

幼年期の終り (ハヤカワ文庫 SF (341))

幼年期の終り (ハヤカワ文庫 SF (341))

1000の小説とバックベアード

1000の小説とバックベアード

high190はいずれの本も読んだことがありません…偉そうなこと言っておきながら、ということになると困るので(笑)私なりにおすすめの本を2冊ほど挙げておきます。

官僚たちの夏 (新潮文庫)

官僚たちの夏 (新潮文庫)

私のチョイスは若干古めなんですが、経済系の小説としてはいずれも指折りの良本なのではないかと思います。「官僚たちの夏」では組織における権限闘争が分かりやすく描かれていますし、蟹工船では労働者と資本家の関係性がよく分かります。

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