Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

大学生への仕送り平均月額が過去最低に

high190です。
そろそろ、大学入学の時期が近づいてきましたね。本学でも何故か1本だけ!桜が咲いています。ここのところ、毎日暖かかったためにフライングしてしまったんでしょうか・・・謎です。
さて、私が勤務する大学は東京都内にありますが、当然地方から大学に入学するため上京してくる学生もいます。今の時期は入学予定者に学割証明書を発行したり、学籍番号を振ったりと大学の事務部門は大忙しのはずです。しかし、上京する学生たちも様々な厳しさを抱えて大学に入学してきます。1994年から新入生が受け取る実家からの仕送り額が毎年減少しているということです。昨年の調査では、過去最低にまで落ち込んだということです。

首都圏の私立大・短大に昨春入学した新入生が実家から毎月受け取る平均仕送り額は、前年より3300円少ない9万5900円であることが、首都圏の私大で構成する教職員組合団体の調査で分かった。調査を始めた1986年以降で過去最低額。調査団体は「家計収入の伸び悩みなどで子供を抱える世帯の可処分所得が減ってきているとみられ、教育費負担が重くなっている」と分析している。
授業料や入学金、家賃など自宅外通学の学生に1年目にかかる教育費総額は、世帯収入の31.4%に当たる302万円で、前年より1.6%減った。企業の業績回復が家計収入の増加になかなか結びつかない中、保護者が仕送りを抑えていることが教育費総額のマイナスにつながったとみられる。97年の仕送り額は月12万2000円で、10年で2割以上減ったことになる。

このような社会状況において、学生の経済的負担を緩和して学びの機会を保障することも大学の務めではないでしょうか。特に学生課などでは、日本学生支援機構などの一般的な奨学金だけではなく、その他の奨学金情報についても学生に提供する準備をしなければなりませんし、そのためには奨学金のエキスパート職員が必要です。ジョブローテーションで何年かの間に担当が変わるようでは、真のエキスパートは養成できないはずです。
確かに業務を幅広く知ることも重要ですが、現状から考えるとどちらが正しいでしょうか。

にほんブログ村 教育ブログ 大学教育へ