Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

複数大学による共同学部設置で大学設置基準改正の見込み

high190です。
複数の大学が共同で学部を設置し、連名で学位を授与する大学間の学部共同設置について、専門部会での協議内容に基づく骨子案を中央教育審議会が大筋了承したそうです。文部科学省でも前年から検討が進んでいました。

大学間の学部共同設置、文科省が法改正を視野に(2007/11/11)

中央教育審議会はこの内容を文部科学省に答申して、大学間の学部共同設置が可能になる見込みです。

中央教育審議会中教審)の専門部会は七日、国公私立の複数大学が共同で学部や大学院をつくり、連名で学位授与を行う「共同学部・共同大学院制度(仮称)」の骨子案を示し、大筋了承した。少子化で大学が生き残りをかける中、経費負担を抑えて特色ある教育研究に取り組めるようにする。
中教審は今夏までに、文部科学省に答申、文科省は大学設置基準を改正する。二〇一〇年度から入学を認める計画だ。
同制度は、複数の大学が共同で教育課程を編成する仕組み。現行の設置基準では、学生数に応じて教員数や施設を整備する決まりだが、複数大学で必要な教員数や施設を満たせばよい規定に改正する。
同制度がスタートすれば、地方の小規模な大学でも、他大学と組むことによってコスト負担を抑えて地域の人材育成の需要に応えられるようになる効果が期待される。また、単独で新しい学部を設けることは難しくても、高度な研究分野に進出することが可能となる。

さて、過去の記事でも書いていましたが学位の授与などについて一定の方針を文部科学省が示す必要があります。特に証明書の扱いに関してはどのようになるのかが気になるところですね。ちょうど今は卒業シーズンですが、学位記の取り扱いについても、掘り下げて考えてみると「学部を異なる大学間で共同設置していることから、学位記の発注は各大学が資金を等しく拠出して行う」とか「共同設置した学部の卒業生の成績データについては、各大学間で共有する」などのローカルルールが定められるのでしょうね。
共同設置にあたっては、協力する大学同士の交流を促進させることが成功の鍵を握ると思います。同時に人的交流なんかもあると面白そうですけどね。職員間の出向とか、今までにはなかったアイデアを試す機会になるかも知れません。

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