Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

明治大学が来秋からSuica学生証を導入

high190です。
明治大学では来秋からSuica機能付の学生証を導入することを決定したようです。身分証明書と一体型のSuica三菱電機が社員証として活用していますが、教育機関での導入は初めてではないでしょうか。ちなみに三菱電機の本社がある丸の内TOKIAに行くと、何故か改札があるんですよ。最初に行った時は???と思いましたが、要は三菱電機の社員要の出退勤管理システムとして使っているんですね。

明治大(本部・東京都千代田区)は今年秋から、JR東日本電子マネー機能付きICカード乗車券「Suica(スイカ)」と一体化した学生証を導入する。在学証明書の発行、生協での買い物が1枚のカードで済むほか、図書館の入退室や出席確認にも活用。学生の利便性が向上する一方で、授業をさぼった学生に代わり出席を装う“代返”防止も期待される。
新しい学生証は定期券兼用の場合、顔写真、学部学科、学生番号、生年月日などが表示された裏面に、定期の区間や有効期限などの情報が記入される。通常のスイカと同じく2万円を上限に入金でき、学生と院生を合わせた約3万人全員が対象となる。
同大によると、現在の学生証にも記憶媒体が付いており、在学証明書の発行や図書館の入退出管理に活用していたが、電子マネー機能は付いていなかった。新しい学生証では、定期や乗車券として使えるほか、生協や食堂など学内外の店舗での支払いが可能になり、同大は「学生の利便性は大きく向上する」(広報課)と話す。
さらに教室の入り口にカード読み取り機を設置して出席確認を行う予定だ。これまで授業に出た学生は「出席カード」に名前やクラス番号を書き込み提出。受講生が100人を超す授業もあり、回収時間が緩和されるだけでも効果は大きいという。
自動改札のようにゲートを付けるわけではないので、授業をさぼってカードを友人に預けることは可能。それでも「電子マネーや定期券の機能が付けば大事な持ち物になるので、友人に預けるわけにもいかないはず。紛失も減るだろう」(同)と期待している。
同大はJR御茶ノ水駅に近い駿河台キャンパス(千代田区)のほか、私鉄沿線の和泉キャンパス(杉並区)と生田キャンパス(川崎市)を持つ。JR経由の場合は、私鉄で通学しても学生証と定期券は1枚で済むが、それ以外の学生は大手私鉄のICカード乗車券「PASMOパスモ)」などを持つ必要がある。
JR東日本としては、発行枚数や利用件数で水をあけられた電子マネー最大手「Edy(エディ)」追随の契機としたいところだ。

記事中には代返の防止効果も期待、とあります。ただ、実際にはどうやって出席を取るんですかね?教室入口に読み取り用端末を設置するとありますが、教室に入る前なのか入ってからなのか。端末にガンガン読み込ませていく、という点で出欠確認はスムーズになりそうですが、果たして代返防止に繋がるのかどうか?友達に学生証を渡しておいて、タッチしてもらえば出席になってしまうと思うんですけどね。大学当局は他人に預けることはしないだろう、という読みのようですが、他のSuicaと併用してしまえば代返防止の効果は期待できないような気がします。
むしろ、今回の導入で一番大きい効果はSuica学生証を導入することによるパブリシティの向上だと思うのですよ。ちなみに、既に非接触型ICカード学生証では、先行事例として神奈川工科大学Edy学生証を導入しています。

一番大きなポイントは、明治大学のような規模が大きく知名度も高い大学が導入するということにあると思います。JR側からするとこれ以上ない宣伝になる訳です。ちょっと想像するだけでも、各大学の教務担当者・教務会議での声が聞こえてきそうです。「明治大学Suica学生証を導入したらしい。本学でも導入できないものか?」という感じで。個人的には導入は魅力的であると思いますが、オリジナル学生証の作成と読み取り端末の設置など、費用対効果を考えると結構割高な感じがします。最初に導入した大学ではパブリシティという目に見えない点での利益が大きいでしょうが、追随する大学にとってはどれほどの効果があるのでしょうか。
導入を考えてます〜、という大学の担当者様は是非是非コメントをお寄せ下さい。

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