Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

手書きで心のこもった学位記を学生に

high190です。
デジタル化が進む現代では、手作りのものに妙な温かみを感じるものです。さて、卒業シーズンも近づき、各大学の教務課では学位記の発注などでお忙しいことだと思います。大規模な大学の場合、10,000人近い卒業生がいる訳ですから、発注・納入・仕分けという作業も膨大な量になります。業務の効率化という観点では、どんどんアウトソースしていける部分ですね。
新潟大学教育人間科学部では、所属教授が480人分の学位記を手作りで作成するそうです。手間はかかりますが、卒業生にとってはとても温かみのある学位記になりそうです。

月は卒業シーズン。新潟大教育人間科学部では、24日の卒業式に向け、書道科の鶴田一雄教授(55)が卒業証書に当たる学位記に名前を手書きで記入する作業を進めている。仕事の合間を縫って約480人分を1人で書くため、作業は式の直前まで続く。鶴田教授は「卒業を祝う思いを込めて書きたい」と筆を執っている。
同大学は、卒業見込み人数に書き損じなどの予備を加えて全学分で5000枚の用紙を五泉市の紙漉(かみすき)業者に発注した。学長名など共通の体裁は印刷するが、卒業生の名前や生年月日は手書き。多くの学部が筆耕を外注する中、教育人間科学部は専門家である書道科の教員がいるため、代々教員が手書きしている。
鶴田教授は2003年から担当。直接面識のない学生も多いが、名簿に並んだ名前を見て「4年間、どんな風に過ごしたのかな」などと思いをめぐらせる。名前を間違えないよう集中するため、息を止めて書く。1日に書ける枚数は多くても40枚程度だ。
鶴田教授は「新潟大で学んだ集大成が学位記だと思う。1人1人の名前を丁寧に書いて、送り出したい」と話していた。

学生の名前を見て、4年間どんな風に学生生活を過ごしたか考えながら学位記を作る・・・こうした取り組みをしている先生がいらっしゃるんですね。作成の手間を考えると、なかなかできることではありません。学部名から察するに、教員になる学生もたくさんいるでしょうから、こうした思い出が教員生活に活かされていくのかも知れません。

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