Clear Consideration(大学職員の教育分析)

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鹿児島大学焼酎学講座が「篤姫酵母」を利用した焼酎を製造

high190です。
鹿児島大学で行われている焼酎学講座。地域の特殊性を活かした興味深い取り組みということで、このブログでも記事にしたことがあります。

鹿児島大学の焼酎作り、初原酒が出た(2007/12/19)

ちなみに焼酎を作る上で必要な酵母の名前は「篤姫酵母」と名付けられたそうです。これは今年のNHK大河ドラマ篤姫」にちなんだ命名だそうです。最近では視聴率が上がらず、NHKでも試行錯誤しているようですが、やはり影響力はまだまだ大きいということです。

wikipedia:篤姫 (NHK大河ドラマ)

鹿児島大学鹿児島市、吉田浩己学長)は7日、同大焼酎学講座が、篤姫の実家である今和泉島津家の別邸跡(指宿市)の土壌から分離した酵母で、焼酎製造に成功したと発表した。同講座の高峯和則准教授は「柔らかな風味と甘みが特徴。土から分離した酵母で造った焼酎は珍しいのでは」としている。
酵母は同大が「篤姫酵母」「姫酵母」と名付けて商標出願。同講座大学院で学ぶ大山修一さん(49)が経営する酒造会社「大山甚七商店」(同)が、この酵母を使った焼酎「天翔宙(てんしょうちゅう)」を商品化した。20日に発売予定。吉田学長は「研究成果である酵母なので、広く県内の焼酎メーカーに利用してもらいたい」としている。
新たな焼酎用酵母を探していた高峯准教授は昨年6月、「故郷に貢献したい」と、母校の今和泉小に隣接する別邸跡周辺約100カ所からサンプルを採取。液体培地などを用いて分離し、発酵試験で使えそうな酵母を絞り込んだ。焼酎を試験醸造した結果、既存の酵母を使った焼酎とそん色ない発酵経過だったという。10月に大山さんの会社で実用化試験を行っていた。
同講座は今後、篤姫酵母について、さらに詳しく分析や研究を進めていく予定だ。

全国唯一の焼酎学講座を開講している鹿児島大は7日、放映中のテレビドラマ「篤姫」にちなみ、天璋院篤姫ゆかりの今和泉(いまいずみ)島津家の城跡(指宿市)で採取した土壌から酵母を分離することに成功したと発表した。この酵母芋焼酎醸造指宿市の蔵元が生産し、20日から発売する。
酵母を開発したのは、同講座の高峯和則准教授(43)ら。昨年6月、城跡周辺の約100カ所から土を集め、培養を繰り返して焼酎造りに適した酵母を分離した。
学内の蒸留施設「北辰蔵」で仕込んで焼酎を完成させ、同講座の社会人大学院生、大山修一さん(49)が経営する醸造会社で商品化した。大山さんは「篤姫のような優しい味の焼酎ができた。女性に受けると思う」と出来栄えに自信を見せる。
同大は酵母を「篤姫酵母」「姫酵母」の名前で商標登録を出願した。県内の焼酎メーカーにも希望があれば配るという。高峯准教授は土壌を採取した指宿市今和泉地区の出身で「専門の研究で故郷をPRできてうれしい」と話している。
「天翔宙」と名付けられた焼酎は、甘みとやわらかな風味が特徴。720ミリリットル瓶で1480円。20日から3000本、5月以降の1年間で3万本を販売する予定。

最近では「大学は美味しい!!」なんていうイベントがあるぐらいですから、各大学で色々な食品を開発することに大きな力を傾けていることがよく分かります。大学プロデューサー・マイスターさんのブログにイベントレポート(マイスターさんお疲れ様です。)がありますので、そちらを参照されると様子が良く分かると思います。*1
地方大学であるからこそ、地域の特性を活かした社会貢献が可能になります。また、研究の成果を試す上で市場に商品を出してみるということは学生にとっても面白みがあるでしょうね。恐らく今までは研究はしても実際に商品を売ったりしたことはほとんどなかったでしょうし。ヒット商品になれば貴重な外部資金獲得にも繋がりますよね。鹿児島大学の天翔宙を飲みながら、学生たちの研究成果を噛み締めてみたいものです。Webで購入できるようにしてくれないでしょうか。。。

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