Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

行政と大学がICT分野で協定締結、成果はいかほど?

high190です。
後期の定期試験も終了し、入試も落ち着いたこの頃。これから大学は卒業式と入学式の季節を迎えます。4年間学んだ学生たちを送り出したと思いきや、新しく入学してくる学生を迎える。結構大学職員も切り替えの早さが要求されるのだな、と最近変に感心しています。
さて、千葉県市川市千葉商科大学はICT分野における人材育成と地域活性化に関する協定を締結しました。これまでも両者の間で協力して事業を推進してきたようですが、さらなる梃入れを行うようです。

千葉商科大学はこのほど、千葉県市川市と「ICT(情報通信技術)分野における人材育成と地域活性化に関する協定」を締結したと発表した。大学と市が持つICTを有効活用し、人材育成や地域コミュニティの活性化を推進する。また、教育・文化発展に向けた連携や、災害時におけるICTの有効活用についても検討していく。
両者はICT分野において、2000年度から市川市の公民館などの各施設と大学を広域ネットワークでつなぎ情報発信事業を実践。2007年10月には市長室と同大、同大学付属高等学校をインターネットで結び、双方向による市長の講義を実施している。

千葉商科大学は、2008年2月8日の千葉商科大学創立記念日市川市と「ICT(情報通信技術)分野における人材育成と地域活性化に関する協定」の締結式を行いました。
本学は、全国でトップクラスの情報教育環境を有し、特色ある授業と実践的な指導を行なっています。また市川市は、自治体の情報化推進分野で全国トップの評価を受けており、両者は各々の特色をさらに活かすため、かねてよりICTに関する協同事業を実践してきました。
このような実績を踏まえ、さらに4月からスタートする市川市の事業に本学の学生を積極的に受け入れていくことで協議が整ったことから、大学と市の双方が持つICTの有効活用や相互協力関係を強化し、市・大学という組織として人材育成や地域コミュニティの活性化などをさらに推進させていくことを目的に協定を締結することになりました。

千葉商科大学は加藤前学長が慶應義塾大学総合政策学部(通称SFC)から着任して以来、情報教育にも力を入れてきたそうです。中でもSFCでも実践してきたTA(Teaching Assistant)・SA(Student Assistant)を活用するなど、学生主体の情報化を積極的に行ってきた経緯があります。そうした実績を元に市川市との協力体制を構築してきたのですが、市川市地方自治体として情報化推進を積極的に行ってこれたのも、大学との関係があったからなのかも知れません。
加藤氏が名誉学長に着任すると同時に、慶應義塾大学経済学部教授の島田晴雄氏が学長に就任したことから慶應義塾とのパイプも太いものがありそうです。これまでの協力体制をより強化することで、どのような成果が期待できるのか。市と大学が連携して人材育成を行うとありますので、インターンシップの受け入れなども検討されているのでしょう。地域コミュニティの活性化に関しては、SNSの活用などICTを活用することで実現できることはたくさんあります。
情報化を推進する行政と教育の情報化を推進する大学の連携は、他大学にとっても学ぶところが大きいのではないでしょうか。

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