Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

山形大学はFDの覇権を取れるのか

high190です。
大学入試センター試験が終了しました。東京では二日間好天が続いたため、交通機関の遅延もなく無事に試験を終えることができました。今回センター入試を体験してみて感じたことは、国が行う行事は秒刻みでスケジューリングされており、各会場校の運営担当者も大変なんだということが良く分かりました。

さて、話は変わりますが先日山形大学がFDの専門職大学院を設置する計画についてお知らせしましたが、近隣大学を巻き込んだFDネットワークの設立にも動いているようです。山形大学は着々とFDの覇権を狙っています。

山形大は東日本の大学、短大、高等専門学校などに呼び掛け、教員の資質向上を図る「ファカルティー・デベロップメント(FD)」のネットワークを設立する準備を進めている。各校が情報を共有化して授業改善やカリキュラム改革などに取り組み、教育力の向上、特色ある教育の開発を目指す。
文部科学省の2005年度調査によると、FDは全国の大学の約8割が導入しているが、その多くは初歩的な講義を行う程度の活動にとどまっている。特に教職員数が限られる短大や小規模大学では人的、経済的負担が大きく、内容の充実が課題になっている。
山形大は2004年4月、山形県内五つの大学、短大に呼び掛けて「地域ネットワークFD・樹氷」を結成。大学や短大がコンソーシアム(連合体)を結成してFDに取り組む例としては全国初の試みで、単位互換をはじめとした教養教育の連携や共同の研修会などを行ってきた。
昨年11月、東北、関東地方、北海道の公・私立大学、短大、高専など約470校にFDの現状についてアンケートを実施。課題として「情報不足」「制度的基盤がない」「ノウハウがない」などを挙げ、約7割が大学間連携の必要性を指摘したことから、連携の輪を東日本全域に広げることにした。
アンケートを行った全校に対し、昨年12月下旬に文書でネットワークへの参加を呼び掛けた。3月に結成集会を開き、「FDネットワーク・つばさ」という名前で、4月から活動を本格化させる。
具体的には樹氷で培った活動をベースにして、共通フォーマットを使った学生による授業評価、教員を個別指導する授業改善クリニック、公開授業、ワークショップ、合宿セミナーなどを行う予定。活動をインターネットで全国に配信することも計画している。
山形大の結城章夫学長は「FDでは、どこの大学も同じ悩みを抱えている。研究とは違って、よりオープンにして課題を共有し、知恵を出し合うことが大事。樹氷のノウハウをより広い場で生かしたい」と話している。
山形大は、将来的にFDの専門家を養成する専門職大学院を設置することも検討している。

確かにまだ日本ではFDの大学間連携が少ないと思われます。各大学で教員間の勉強会を開いたり、フォーラムに参加したりする程度のものだと思いますが、大学間でFDの取り組みについて情報を共有していければ、自分の大学には何が足りないのかをよく理解することができますし、学内の意思統一を図る上でも成功事例を間近に見られるほうが良いでしょうね。

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