Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

金城大学短期大学部が母親の再就職支援講座を開講

high190です。
仕事をしながら働く女性の比率は年々高まってきていると思われますが、地方都市では育児のために仕事を止めねばならず、その後の再就職が難しい場合があるようです。私自身地方出身者なので、友人などから話を聞く限りは確かに再就職が厳しいようで資格取得などでチャンスを伺う人が多い模様です。
石川県にある金城大学短期大学部では、再就職を目指す子育て中の女性を対象にIT講座を開講したとの事。

金城大短期大学部白山市笠間町)は十二日、再就職を目指す子育て中の母親を支援する「IT(情報技術)と子育てスキルの学習講座」を開講した。
実務に役立つパソコンソフトの技術を学びながら、仕事と子育ての両立を考える内容で、受講希望者は定員の二十人を大きく上回り、五月の次回講座を待つ状況という。結婚や出産で離職した母親らへの再就職支援の需要の高さが、あらためて証明された形だ。
講座は、同短大部が地域貢献活動の一環として近隣市町、白山商工会議所などと連携して企画。表計算ソフト「エクセル」、または製図ソフト「キャド」の使い方を全六回で教わりながら、並行して設けられた講座で「働くママ」にとっての子育てや人生設計について学ぶ。いずれも同短大部教員が中心となって指導する。
子どもは、同短大部幼児教育学科の教員や学生、付属の西南幼稚園教員が、必要に応じて学内であずかる。また厚生労働省の外郭団体・二十一世紀職業財団のスタッフが、再就職について個別のカウンセリングに応じる体制を取っている。
同短大部地域貢献推進室によると、募集定員二十人に対し、二十−四十歳代後半の母親から計四十二人の応募があり、初回の受講者は二十四人に増員。ほかの十八人は、急きょ設けた五月からの講座に回ってもらったという。中山治男室長は「非常に大きなニーズがあると実感しました。今後、年に二回は講座を開いていきたい」と話している。
この日は、各ソフトの基本操作に続き、幼児教育学科の米川祥子講師の指導で「私の子育て・私の仕事」と題した演習があった。それぞれの職業観や将来の理想をワークシートに記入し、班に分かれて意見交換。受講者たちは、以前に勤めていた職場で得た技術や子どもたちの話などを通じ、考えを深め合っていた。

この取り組みは、結婚後の再就職先がなかなか難しい地方都市の経済状況にマッチした好例だと思います。子育てと仕事を両立しなければいけない女性たちの助けとして、大学が講座を開講するということは大学の地域貢献として大きな意味のあることだと思います。公開講座を実施している大学は数多くあるでしょうが、地域の実情に即した講座であればあるほど、大学と地域の距離は縮まるものだと思いますので、大学と地域を取り巻く外部環境がどのようになっているのかをしっかり考える必要があります。

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