Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

山形大学がFD専門家養成の専門職大学院を2010年に設置予定

high190です。
前文部科学事務次官の結城章夫氏が学長に就任した山形大学。大学職員サミットを開催するなど、はたから見てちょっと面白そうなことに次々取り組んでいます。そんな山形大学が、今春からの大学設置基準改正でFDが義務化されるのに伴い、FDの専門家を養成する専門職大学院の設置を検討しているようです。予定では2010年に設置するとの事。

全入時代を迎えた大学の教師力向上に向けた取り組み(FD)が大学設置基準で今春義務化されるのを受け、山形大学山形市)は、FDの専門家を養成する全国初の専門職大学院を設ける方針を決めた。大学の教職員らを対象に、板書の仕方や学生とのコミュニケーションの取り方など、授業改善の手法を基本から教える。2010年春の設立を目指す。
同大では、7年前から取り組んできたFDの実績をもとに04年、山形県内の公立大や私立大、短大計6校で「FDネットワーク樹氷」を結成し、共同して国内外の先進大学の視察や研究会を重ねてきた。昨年4月からは、授業の問題点を洗い出し、“処方せん”を出す「授業改善クリニック」を学内外向けに始め、全国的な関心を集めている。
取り組みを通して、FDを組織的に進めるには経済的、人的な手当てが不可欠で、時には大学の理念や経営方針の見直しも必要になるといった認識が大学の経営者に不足しており、具体的な授業改善法がわからない教員が多いこともわかってきた。FD専門の教員増を図ることも難しいため、授業改善のノウハウ共有を進める専門職大学院の設立構想を抱くようになった。
山形大でFDを担当する小田隆治学長特別補佐のほか、同大の高等教育研究企画センターの教員が中心となり、学外の専門家と連携し、カリキュラム開発や人材の養成に取り組む。会話能力や板書、教材教具の開発、授業評価アンケートの作り方など授業技術を磨く一方、科目内容の整備やFD研修を徹底させるための経営術も学ぶ。このため対象を事務職員にも広げる。
同大の結城章夫学長は「国内の大学が競争ばかりしていては共倒れになる。大学は学生のためにあるという共通認識のもと、連携して教育力を向上させたい」と話している。

私には、結城学長のコメントがやはり中央教育行政を経験された方の意見だなと感じられました。競争も重要だが大学間の連携により日本の大学全体の教育力を向上させる…今後、大学間の統合が加速するのはほぼ間違いないでしょうが、連携も同時進行で加速していくでしょう。大学教育の内容向上は日本国内だけではなく、世界的な競争に勝ち残るという大きな目的もあります。
ただちょっと考えたのは、「FDの専門家」とありますが大学内でどういう位置づけの仕事をするんでしょうかね?教員なのか事務職員なのか、そのあたりがまだ未知数です。

にほんブログ村 教育ブログ 大学教育へ