Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

教員養成課程で実践重視

high190です。
本学には教員養成課程はないのですが、卒業後に教員・保育士志望で証明書発行を希望する人がたくさんいます。やはり教育に携わりたいという希望を持つ人は少なからずいるのですね。教育再生が叫ばれている世の中における明るい兆しのひとつだと思います。そんなことで今日は教員養成に関する佛教大学の取り組みをご紹介します。

即戦力教員の養成を目指して佛教大(京都市北区)が、市内の小学校で行う学生の授業実践に力を入れている。大学での理論と現場での実践の融合が、教職を志す学生に学びの動機付けと刺激になっている。協力する小学校も初年度の8校から4年目を迎える2007年度は23校に増えた。同大学は「今後は中学や高校まで幅を広げ、現場体験できる学生を1人でも増やしたい」と意欲をみせている。
昨年12月12日。教育学部の原清治教授の研究室で3年生10人が出席してゼミが開かれた。3、4年生は原教授と京都市右京区の小学校に週1回程度訪れ、授業を行っている。ゼミでは学生が現場で気付いた児童の学習、生活両面の態度などをテーマに討論する。
この日は、休み時間の児童グループの遊びや会話を中心に話し合った。学生の議論に原教授は教師や親、児童の立場から「子どもの変化を見逃さず、指導は個別に対応すること」「家庭訪問をこまめにすること。親は『○○君の顔を見に来た』と自宅に出向いただけで教師への信頼感を増す」などと助言した。
佛教大は2004年、京都市教委と「小大連携」の包括協定を結んだ。翌年から2年間、文部科学省の「教員養成GP(グッド・プラクティス)」に選定された。実践プログラムは多様で、11研究室が国語、算数などの教科教育や教材研究、課題を抱える子の特別支援教育などに取り組む。
学生にとって現場体験は貴重だ。長坂浩さん(22)は「子どもとかかわる時間が多く、経験が自信につながる」、金子郁美さん(21)は「学生ボランティアやインターンシップなどと合わせて具体的な事例研究ができる」と話す。受け入れる小学校の校長は「年齢が近く、子どもたちも親しみをもって接している」と好意的に受け止める。
原教授は「教師と学生だけでなく、大学の教員も現場に足を運び、理論と実践をその場で融合させることができる。学生には資質の向上に好影響を与えている」と小大連携の持つ意義を訴える。

学生のうちから現場を知るということは大きな経験になりますし、疲弊した教育現場を目の当たりにすることで教育への気持ちを新たにすることも出来るでしょう。学生にとっては大きな経験が出来る機会を作った佛教大学、教員養成では実績のある大学のようですね。佛教大学といえばSNSで学生支援GPを獲得したことも記憶に新しいところです。

教員養成にあたっては教育に携わる人材を育成し、社会に送り出すことで社会への還元を行うことができる反面、責任も重大です。しかも、初等中等教育においてもモンスターペアレンツなど問題は山積しています。教育に携わることが厳しくなってきている時代だからこそ、本質的に教育に関われる人を社会に送り出す必要があるのです。そのためには机上の空論でなく、現場を知っている人材が必要になりますよね。文部科学省の政策的議論ももちろん重要ですが、現場を体験してしっかりとした教師像を固めた方が教員になることで、教育再生が実現できるのだと思います。

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