Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

卒業生の転職を大学が支援

high190です。
ここ数年、電車の中吊り広告などで「面倒見のいい大学」などといった学生サポートを売りにする大学のキャッチコピーをたくさん目にしました。それだけ学生サービスを充実させなければいけないということの裏返しでもありますね。また、在学生だけはなく卒業生へのサービスも行っていこうという取り組みもあります。

(上記記事より一部抜粋)
「氷河期」で不本意な就職…

「就職相談の予約をした者ですけど……」。立教大学の池袋キャンパス(東京)内にある卒業生対象の就職相談窓口。先月のある平日の午後、リクルートスーツ姿の20歳代の男性が心配そうな顔つきで訪れた。
この窓口は、立教大学の関連会社「立教企画」が2006年10月に開設した。在校生向けの窓口に、就職の相談に訪れる卒業生が増えたため、卒業生専用の窓口を設置した。仕事や待遇の面で悩んでいる卒業生らの相談に応じる。就職や転職を希望する場合は、適性を判断し、履歴書の書き方や面接のアドバイスもする。相談は無料。
1年間で約300人が訪れ、そのうち約7割が30歳以下だった。特に、大学を卒業して数年以内の「第2新卒」と呼ばれる人たちが多い。同社は人材紹介業の認可を受けており、企業からの求人も増やしたいという。
就職氷河期に卒業して不本意な就職をしたが、雇用が改善した今、よりやりがいのある仕事に就きたいと考える20歳代の人は少なくない。母校だから安心して来られるのでしょう」と、立教企画常務の大賀喜夫さんは話す。
早稲田大学(東京)も04年、卒業生を対象にした就職支援を始めた。同大学などが設立した人材サービス会社「キャンパス」で、相談に乗ったり、求人情報を提供したりしている。約1000人が利用登録をしている。仕事面で悩みを持つ人が大半で、カウンセリングで解決することもかなりあるという。同社を通じて転職した人も年間で数十人いる。
早稲田大学キャリアセンター長の金子博さんは「卒業生の相談に乗るために、専用の窓口を設けた。仕事で悩むことがあれば、母校に来てほしい」と話す。
関西大学大阪府吹田市)は、人材サービス会社のパソナ(東京)のグループ会社と提携し、卒業生の就職支援サービスを05年に開始した。「卒業生専用相談コーナー」は、ターミナル駅の梅田駅に隣接したビルにあり、仕事をしている人に便利だ。
日本人材紹介事業協会(東京)によると、職業紹介大手3社が仲介した今年度上期(4〜9月)のホワイトカラーの転職者は、25歳以下に限ると、4151人で、前年同期に比べ78%増えている。
若者の就職事情に詳しいキャリアコンサルタント上田晶美(あけみ)さんは「卒業生が母校を頼るのは、第2新卒者の再就職を支援する社会の仕組みが十分に整っていないから。生き残りを図る大学側も、卒業生サービスを充実させて大学の魅力を高めたいと考えている。若者の再チャレンジを支援する大学の取り組みは今後も広がるだろう」と話している。

転職する場合にも、履歴書と一緒に卒業証明書や成績証明書を提出しますよね。転職などの転機においては必ず大学に関わる場面が出てくるはずですし、大学は在学中にどのような活動をしていたのかといった詳細なデータを持っています。第2新卒者のジョブマッチングに関しては、記事中でも指摘されているように社会的なサポート体制が十分ではないですよね。大学に期待が集まるようになるかも知れませんが、何らかの援助も欲しいところですよね。卒業生向けにジョブマッチングを行っている大学には一定額の補助金を出すとか。制度的な部分でもう少し具体化してくると取り組む大学が増えそうです。

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