Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

特許権を信託して有効活用

high190です。
東京電機大学では大学で所有する特許権を信託する契約を三菱UFJ信託銀行と結んだそうです。大学が保有する特許等を有効活用するための手段として、知的信託が注目されているようですね。

三菱UFJ信託銀行は23日、東京電機大学(東京都千代田区)が持つ製造技術に関する特許権を信託財産として管理する契約を結んだことを明らかにした。
大学の知的財産権である特許権を信託銀行が管理し、商品開発などに生かしたい企業を探し出して橋渡しする。こうした手法の導入は私立大学では初めてで、信託を活用した産学連携の動きに弾みがつきそうだ。
東京電機大が信託する特許は、半導体原料の品質を見極める測定装置と、電磁石を利用した超小型駆動装置の2種類。測定装置は半導体業界が関心を持っており、駆動装置は人工心臓や人工呼吸器など医療機器への応用が期待されている。
知的財産信託と呼ばれる今回の手法は、まず東京電機大が三菱UFJ特許権を信託し、三菱UFJが取引先を中心に特許を利用したい企業を探し、使用契約を結ぶ。三菱UFJは企業から得た特許使用料をもとに東京電機大に配当を支払う仕組みだ。三菱UFJは大学に代わって特許料の納付、特許侵害に対する調査や訴訟などの業務も行う。
知的財産権の信託は2004年12月施行の改正信託業法で認められ、国立大学では今年1月、山梨大学燃料電池関連の特許権で三菱UFJと信託契約を結ぶなど、大学の特許権知財信託が注目されている。

大学が負担するコストを代わりに信託銀行が負担し、大学にも銀行にも一定のリターンが得られるならばお互いに利になる部分が多いですね。保有する特許を有効活用するために、民間活力を使う…何だかPFIに似ているような気がします。大学は教育・研究を行う場所ですから、知的財産の有効活用についてはアウトソースした方が大学にとってもいいのかも知れませんね。

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