Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

大学の歴史的建造物をどのように保護するか

high190です。
学生時代の思い出というのは経験を重ねても色あせないもののようで、私の父は今でも学生時代のことを懐かしそうに話します。(父は仕事をしながら夜学に通っていたのですが、両立はかなり厳しいものだったそうです。それだけに思い入れがあるんでしょうね)大学の建物などに郷愁を感じる人も少なくないのではないでしょうか。自分が学んでいた校舎がなくなる・・・

前川国男の設計で1960年に竣工した「学習院大学ピラミッド校舎」が取り壊されることが明らかになり、同大学の卒業生や建築専門家らで構成する「学習院大学ピラミッド校舎群の保存活用を願う会」が12月14日、福井憲彦学長に保存活用要望書を提出した。
ピラミッド校舎群は、東京・目白の学習院大学キャンパスのほぼ中央にある。「ピラミッド校舎」あるいは「ピラ校」の愛称で呼ばれる「中央校舎」を取り囲むように、北側と南東側に2棟の前川設計による校舎が残る(竣工時は東側にも前川が設計した校舎があった)。
大学はホームページ上で11月21日、「大学中央教室位置に平成20年(08年)夏着工予定で大学中央教育研究棟(仮称)建築計画を予定しております。この建築計画に先立ち、中央教室の取壊しを平成20年1月〜3月頃の予定で計画を進めています」と発表した。築後47年が経過し、防水工事、耐震工事、照明・空調整備に多額の費用がかかること、内部構造が授業に不向きであることなどがピラミッド校舎解体の理由という。
解体を知った卒業生や建築史家らが急きょ「保存活用を願う会」を結成。賛同者のコメントを集めるとともに、保存活用要望書をまとめ、学長に手渡した。会の代表を務める松隈洋氏(京都工芸繊維大学准教授、元前川国男建築設計事務所所員)は、「京都会館(1960年)や東京文化会館(1961年)とほぼ同時期にできたことから、日本ではそれらの高い評価の陰に隠れることになってしまったものの、海外の建築雑誌では大きく取り上げられた。広場を囲む群造形の手法は、その後の前川の方法論の基になったもので、前川国男の歴史を考える上でも重要な意味を持つ」と話す。
また、同大学の卒業生で、会の副代表を務める末永航・広島女学院大学教授は「僕らが学生のころには、学園祭の後にピラ校の壁に男子学生が駆け上がっては池に落ちる、という光景が毎年繰り返されていたことを思い出す。思い出は人それぞれだが、卒業生にとって記憶に残る校舎であることは間違いない」と話す。
同大学広報は、「1月12日、13日に行われる見学会で建て替え計画の説明を予定している」と話している。

学習院大学の「ピラミッド校舎」が取り壊されるのは、建物の整備・維持費用が多額のためのようです。建築的に重要なものでもあるようですし、在学時の思い出がある人からすると保存したいという気持ちがあるのは当然でしょうね。何かよい方法がないものでしょうか?文化財として登録してもらうとか、双方にとって良い結末を迎えてもらいたいものです。

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