Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

同窓会SNSを成功させるには「ゆるさ」が必要

high190です。
私は大学を卒業してからも職員として大学に残っているので、他の卒業生たちよりも当然ですが大学との関係が深いです。ただ、私自身学生時代に仲の良かった友達と連絡を付ける機会が減ってきてしまい、中には連絡が付かなくなっている人もいます。「簡単に連絡を付けられる手段があればいいんだけど・・・」と思うことがありました。(実際問題として、連絡が付かなくなった友人の消息を知るには、「別の友人に聞いてそこから辿る」といった手段しかないため、かなりの手間がかかります)そういう時には、mixiのようなSNSが非常に便利です。フレンドリンクさえ繋いでおけば連絡が取れますしね。
大学にとっても、卒業生向けのSNSは大きな価値があります。卒業生は大学の資産だと言われていますが、卒業生が大学の社会的価値を高める存在であること、卒業生は子息を大学に入れてくれる「マーケット」としての価値を持つことと、二つのポイントがあると思います。

開学10周年を迎えた宮城大(宮城県大和町)に、会員制サイトのソーシャル・ネットワーキング・サービスSNS)を使った同窓会が発足した。情報の更新やアクセスが容易なインターネットのメリットを生かし、機動的な組織運営を目指す。
同窓会のSNSはパソコンと携帯電話から利用が可能。10月から稼働し、既に100人が登録を済ませた。個人情報の扱いに配慮が求められることから、名簿などの印刷物は発行しない。
情報の登録と更新は会員自身に委ね、イベント案内をはじめ各種情報はすべてSNSで発信。入学年度や学部、就職先といった登録情報による個別通知や、アドレスを知らない会員同士のメールのやりとりもできる。
転居した場合などの情報伝達が早いという利点もあるほか、低コストで運営可能なため、会費はサーバーの維持費に充てる入会時の1000円だけに抑えた。
同窓会運営委員長を務める東京都の会社員畠山直樹さん(28)=事業構想学部卒=は「現代的な要素で同窓会の機能を再構築し、宮城大らしい組織をつくりたい」と意気込む。今春、7期生を送り出した宮城大の卒業生は約2000人に上り、県内外で活躍する。常時アクセスできるSNS同窓会を橋渡し役に、コミュニケーションの活性化も期待される。
運営委員会は来年、仙台と東京で初の同窓会を開く計画。SNSが軌道に乗れば、在学生や教職員も会員に加え、交流の拡大を図るという。
運営委員の岩沢仁子さん(27)=事業構想学部卒=は「OB・OG訪問など、在学生の就職活動にも役立てられれば」と話している。

最近、大学同窓会がSNSを設立するケースが増えています。それだけ卒業生をネットワーク化して大学の資産として、大切にしていきたいようですが、SNS運営には「ゆるさ」が必要だと思いますし、規制がガチガチの状況ではいいコミュニケーションが生まれません。私なりにmixiが流行った理由を考えると、独特の「ゆるさ」があったからではないかと思います。ちょっと覗いた時に、誰がいるのか分かる「親近感」がゆるいコミュニケーションを生むことに成功したんだと思います。こういったことが実はとても大切で、ユーザーが使わない限りいいコミュニケーションも生まれてきません。そのあたりが大学同窓会SNSの運営における当面の課題ではないでしょうか。

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