Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

大学でのインターンシップ実施率は約65%

high190です。
インターンシップとは、学生が一定期間の間に大学が指定する企業等の中で研修生として自分の将来に関連のある就業体験を行える制度のことを指します。最近では実施する大学も増えてきており、8割の大学3年生がインターンシップを重視している、なんていう調査結果もあります。また、研修先は企業のみに留まらず、行政でも受け入れが進んできています。

[過去記事]
8割の大学3年生はインターンシップを重視している(2007/06/14)

地域と連携した長期間インターンシップ(2007/08/05)

進化するインターンシップ(2007/08/29)

もはや、大学生のうちにインターンシップを経験することが当たり前になりつつあるのですね。文部科学省の調査によると大学でのインターンシップ実施率は約65%に上るそうです。

学生が在学中、自分の将来像と関連のある企業などで職業体験するインターンシップの2006年度の実施状況がまとまり、文部科学省が19日発表した。制度を導入している大学は482校で、全体の65.8%を占めた。高等専門学校は98.4%に当たる60校で実施していた。
インターンシップを単位認定する授業として実施しているかどうかを尋ねたところ、大学は前年より35校増え、短大は5校増の162校。高専は横ばいだった。
体験した学生数は大学が5万430人で7976人の大幅増。高専は7793人で330人増えた。
夏休みの実施が最も多く、1週間から2週間程度の日程を組むケースが多いという。
調査は大学733校、短大399校、高専61校を対象に4月に実施。回答率は100%だった。

ここまでインターンシップが一般化してくると、当然各大学は差別化を実施して独自のプログラムを考えてきます。いまのところ、インターンシップは大学の前期・後期の間の長期休暇を利用して実施することがほとんどだと思いますが、長期間のインターンシッププログラムを実施している大学もあります。しかし、独自プログラムを考案したとしても参加する学生とのマッチングがうまく行われないと期待する効果は出ないでしょう。

また、昨日の記事でもお知らせしたように、最近の学生の傾向として受身的であるということもポイントです。

2007年全国大学生調査で浮かび上がる、現在の大学生像(2007/11/19)

大学からインターンシップに行く意味やそこで学べる内容をしっかりと学生に周知し、また受け入れ先企業での実習内容についても大学が積極的にコミットしていく必要があります。こうなってくると単にインターンシップのみの話ではなく、大学と企業の総合的な提携に近い形になってきますね。そうなってくると、インターンシップが単に就業体験を学ぶだけではなく、採用にも結びつくようになってくるでしょう。