Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

Adaptive Universityという発想

high190です。
私は社会人になってからGoogleをより深く使うようになったのですが、使えば使うほど便利さに気付きました。ただ、blogシステムとなるとGoogleの提供している「Blogger」はあんまり使い勝手がよくないように思えたので(一記事書き上げるまでにも結構な時間がかかっていた)、色々と使いながらはてなダイアリーを見つけました。世の中には色々なWebサービスがありますが、その中で何が自分に合っているのかを見極めるためには、まずは使ってみるのが一番早いような気がします。ちょっとずつ「見極める目」が養われてくるものです。
今年の大学業界を賑わした日本大学Gmail導入も“大学業界”という存在に対して見極める目を与えたのではないでしょうか。
そんな中、日本大学よりも踏み込んだ導入をした大学があります。

嘉悦大学オープンソース・ソリューション・テクノロジは11月5日、オープンソース・ソフトウェアによる情報基盤とGoogleが無償提供する「Google Apps Education Edition」を自動連携させた大学情報システムを構築、同日より運用を開始したと発表した。
嘉悦大学ではこれまでWindows Server中心の情報システムを運用していたが、運用コスト削減および特定の製品や企業に依存したベンダ・ロックインからの脱却を図るため、オープンソースによるシステム刷新を決めた。サーバはすべてオープンソースで構築し、学内のコミュニケーションツールとして無償のGoogle Apps Education Editionを採用した。これにより構築の際に要するソフトウェアライセンス費用をゼロに抑えるとともに、システム運用費用の約3分の1を削減した。
同大学では今回の構築事例が、情報システムの効率化とコスト削減が求められるほかの中小規模大学にも適用可能だとして、今後関連技術情報を公開していく予定。

教職員向けのメールまでもGmailにしてしまうとは・・・思い切った決断をするものです。導入に際して、学生はともかくとして教職員からの反発はなかったんでしょうか?(大学って結構新しいことを始めようとすると、反対意見が上がりますからね。。。)そのあたりの“生の声”が聞いてみたいものです。

[過去記事]

ただ、学生にとっては最新のWebサービスを使いこなせるようになるチャンスですね。結構、Google検索のやり方ひとつ取っても知っているのと知らないのとでは大きな違いがあります。
そういった意味では、学生の成長を促す上でも大学のシステムはWebの変化に適応しやすい形態であるべきですよね。僕はこれを勝手に「Adaptive University」(適応型の大学)と名づけたいなと。
IT関連の技術は流行り廃れが極めて激しいですから、Google Apps Education EditionやWindows Live@eduなどのサービスを活用した方が大学独自でWebを構築するよりも迅速な対応が可能になります。もちろん、大学の情報資産を他者に預けるということはあまり得策ではないという意見もありますが、それを差し引いても大学にとってのメリットが大きいような気がします。

オープンソースの活用や企業とのアライアンスなどを活用して、真の“Adaptive University”となる大学はいつ頃現れるのでしょうか。

追記(2007/11/27)
Google Japan Blogに「嘉悦大学訪問記」なる記事がアップされています。どうやらGoogleの関係者がGoogle Apps Education Editionの導入に際して大学見学に行ったみたいですね。