Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

大学生のアートをオークションに

high190です。
学生時代、論文指導教授から「卒業制作を作るにあたっては、市場価値のあるものを作るように!」と言われていました。一般的に大学生の卒業制作は論文だったりするので、「ユニークな先生だなぁ」と思うと同時に、「そう簡単には作れねえよ!」と言いたくなったものです。

しかし、大学時代の勉学の集大成が社会的に見てどの程度の価値があるのかを試すということはそうそうないですし、社会の評価を受けるということで学んだ内容の連続性も期待できます。

さて、京都造形芸術大学では学生の作品をオークションで販売するユニークな取り組みを始めました。

京都造形芸術大学千住博学長)は13日、創立30周年記念事業の一環として、初のアートオークションを開く。学生たちの油彩や日本画、立体作品を競りにかけ、「市場評価」を確かめることで実績づくりに役立てるのが狙いだ。全国でも珍しい試みといい、3日からプレビューが始まる。
大学を卒業しても、芸術活動ではなかなか生活できないのが実情。オークションを通じてアートを身近に感じてもらい、大学の教育内容を広く公開する意味も込めた。
在学生の作品103点の中から審査で16点を選考。卒業生や大学教員らの24点を加え、計40点を出品する。在学生の最低落札価格は5000〜1万円。千住学長の日本画「フォーリングカラー」は600万円からという。
オークションの学生実行委員会の一人、高谷祐介さん(21)は「画廊やホテルを回り、バイヤーになってもらえるようお願いした。協賛企業も10社を超した。何とか成功させたい」。同大学空間演出デザイン学科の中西啓・准教授は「アートを楽しんでもらう場を提供したい。大学は高い学費をとって何をしている、との批判にも応える場にしたい」と話す。
プレビューは3〜13日、左京区北白川瓜生山2の同大学人間館1階「ギャルリ・オーブ」(定員200人)で。本番は13日午後5〜7時。誰でも入場できる。

アーティストとして生活していくというのはとても大変なことです。著名な方でも下積み時代には極貧生活を送っていたなんていう話も珍しいことではありません。そんなこんなで京都造形芸術大学のWebサイトを確認したところ、ありましたよオークションサイトが。

この中に出品作品一覧というリンクがあり、中を覗いてみたのですが…PDFファイルで作品が紹介されています。
正直、「これはもったいないなぁー」と思ってしまいました。せっかくオークションを実施する以上、Web上で全てが完結するようにしてしまえばいいし、事業の連続性も確保できたのに!と勝手に思ってしまいました。
ちなみに最近ではオープンソースでE-Commerceサイト構築ができるものもあります。

様々な観点から検証すると難しいのですが、オークション形態にする以上はここまでやった方がよかったのかも知れません。間口を広げ、学生の作品が世に出る機会創出にも繋がりますよ。いかがでしょうか?>京都造形芸術大学のご担当者様