Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

日本人研究者をイギリスに派遣

high190です。
私が学生時代に師事した先生は客員教授で米国・英国などの大学に行っていたことがあったそうです。
色々とお話を聞いたことがありますが、貴重な経験だったとおっしゃっていました。

しかし、エズラ・ヴォーゲルが“Japan as Number One”と言っていた時期は良かったのですが、バブル崩壊後、世界競争力ランキングで日本の順位が下がってきたように、日本について研究することの意味が薄れてしまったのですね。
そんな中、日本財団が研究者の育成策を打ち出しました。

日本財団笹川陽平会長)は4日、英国における日本研究促進のため、オックスフォード、ケンブリッジなど12大学で、現代日本研究の講師ポストを設立すると発表した。
今後5年間で、約250万ポンド(約6億円)の支援を行う。
英国の大学生の間では、マンガの流行などで日本に対する関心が高いが、大学の日本関連講座は、縮小傾向にある。同財団は、支援事業を通じて若手の日本研究者の育成を目指す。

もっと知日派を育てよう−。英国の主要12大学に来年9月から、現代日本に関する計13人分の講師ポストが新たに設置され、それぞれで研究と授業が始まることになった。日本財団が4日、ロンドンで発表した。5年計画で計約250万ポンド(約6億円)を支援するという。
英国ではオックスフォード、ケンブリッジ両大などが日本研究の中核となってきたが、高い経費やスタッフ不足などの問題が浮上。経済悪化による日本の地盤沈下や中国の台頭も背景に日本研究の優先順位は低下し、過去10年でエセックスサセックス大などで日本研究の学科や学部が閉鎖、縮小に追い込まれた。
しかし近年はマンガやアニメ人気にも支えられ、中学や高校で日本語を勉強する生徒が増加。大学でも日本研究の受講希望者が、2006年は前年比で約40%アップし、需要は高まっている。

記事中にもあるように、最近では日本のマンガ・アニメといった文化的な部分が欧米で注目を集めるようになりました。いわゆるクリエイティブな分野ですね。そうした文化の与える影響を上手に活用して、優秀な若手研究者の育成に繋がるといいのですが。