Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

京大と慶應の連携はどう見る?

high190です。
京都大学慶應義塾大学が連携するというニュースがありました。

京都大と慶應義塾大は27日、教育研究で連携協力を進める基本協定を締結した。同日、慶大三田キャンパス(東京都港区)で京大の尾池和夫総長、慶大の安西祐一郎塾長が協定書を交わした。「ヒト・社会・地球」をテーマに、再生医療などの分野で共同研究を進め、アジア地域の学術ネットワークの構築や若手研究者の育成を図る。
京大の基礎研究、慶大の実学というそれぞれの特色を生かし、共同研究の実績のある医学・生命科学、経済学、地域研究と人材育成の4分野で重点的に協力関係を発展させる。
具体的には▽体細胞由来の多能性細胞「iPS細胞」を用いた神経難病の画期的な治療法の開発▽京大の海外拠点と慶大の情報ネットワークを連携したアジア学術ネットワークによる新たな地域研究の創出▽大学院生の交流による基礎と実学双方を踏まえた国際的な人材育成−などを進める。
2大学の連携を推進するため「慶應義塾大学京都大学連携基金(仮称)」を創設、研究者や学生の交流に役立てる。また、「ヒト・社会・地球100人連携ワークショップ」を連続開催し、連携分野の拡大と成果の社会への発信を進める。
尾池総長は「アジアにおける京大のリアルなネットワークと慶應のバーチャルなネットワークを結びたい。将来は学生が2大学で学位が取れるようにできれば」、安西塾長は「人と社会と地球のための協力はトップレベル大学の責任。若い研究者の武者修行の場も作りたい」と話した。
京大は、これまでに早稲田大と連携協定を締結、ビール「ホワイトナイル」の共同開発などを進めている。

慶応大と京都大は27日、包括的な連携協定を結んだと発表した。医学・生命科学や経済学、地域研究などの分野を中心に、研究者や学生を相互交流させて様々な共同研究に取り組む。両校の幹部らで構成する連携協議会を設置し、具体的な連携内容を詰める。
京大は昨年、早稲田大とも連携協定を結んでいる。大学同士で協力して教育研究の水準向上を図る「学学連携」が盛んになってきた。
慶大と京大は連携のテーマを「ヒト・社会・地球のための連携協力」とし、環境問題や感染症、経済的格差など、地球規模の問題の解決で協力する。アジアに広く進出している両校が組むことで、アジアのほとんどの国で拠点を確保、国際的な研究ネットワークを組織できるという。
連携の趣旨に賛同する企業などから幅広く寄付を募る「慶応義塾大学・京都大学連携基金」も創設する。当初は2000万―3000万円程度で立ち上げ、規模を拡大していく計画。基金は研究支援に充てる。
27日記者会見した安西祐一郎・慶大塾長は「両校は自主独立の校風が共通しており、一致協力していきたい」と説明。京大の尾池和夫学長は「将来は両方の大学から学位を受けられるような仕組みをつくることも検討したい」と述べた。

ちなみに慶應義塾大学は大阪に拠点を設けることを既に決定しています。今回の提携も、関西への攻勢を強めるための足がかりではないか?という風に見えます。記事中にもあるように早稲田大学京都大学と連携協定を結んでおり、ライバルへの対抗心なども背景にあるのでしょうかね。