Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

米大学が全世界で初めて講義をYoutubeで公開

high190です。
日本でも最近、明治学院大学Youtubeを用いて大学情報を公開する取り組みがありました。

大学広報にYoutubeを活用する明治学院大学(2007/06/16)

しかし、本家のアメリカにはさらに進んだ取り組みを実施する大学が…ピッツァー大学(Pitzer College)が世界で初めて講義内容をYoutubeで公開しました。どうやら全学的な講義の公開ではなく、「Learning from YouTube」というYoutubeをテーマにした講義のみを取り扱っているようです。

カリフォルニア州クレアモントにあるピッツァー大学で、9月4日に開講したYouTubeに関する講義にYouTubeが取り入れられている。YouTubeが採用されているのは、メディア研究を指導するアレクサンドラ・ユハス教授が、毎週火曜日と木曜日に行っている講義「Learning from YouTube」。学生だけでなく、誰でも授業を参観し、コメントを寄せることができる。
ユハス教授がYouTubeに公開したMediaPraxismeチャンネルには、講義だけでなく、学生に与えられる課題(課題読書、ライティング、ビデオ制作など)も掲載されている。

ネット中毒者の夢が実現? YouTubeの動画を見て大学の履修単位を取得することができる。
ピッツァー大学は今秋、おそらく世界ではじめて動画共有ウェブサイトについての授業科目を設けた。およそ35人の学生たちが教室に集まるが、彼らは主にオンラインでの作業を行い、YouTube上の動画を見てコメントを投稿する。
教室での実践レッスンも行われ、動画の投稿も奨励される。たとえば、学生のひとりは自分がジャグリングをしているところを撮影した1分35秒の動画を投稿した。
教養学部でメディア学を教えるアレクサンドラ・ユハース教授は、YouTubeで公開されているコンテンツについては「たいしたことはない」と評価しているが、この人気ウェブサイトの役割を研究する「YouTubeから学ぶ」を開講した。
YouTubeにこの授業のグループが作られ、学生たちがそれを管理する。世界中のYouTubeウォッチャーからのコメントを歓迎すると、ユハース教授は言う。
彼女はここで、YouTubeに関する重要な問題の追求が行われることを期待している。たとえば、「企業に支援された民主的なメディア表現」の役割などについて。
学生のダーレン・グロースさんは、YouTubeは「研究されるべき現象」だと言う。「アメリカ文化とインターネット文化全般について多くを学ぶことができます」

いつかはこんなことが起きるのではないかと思っていましたが、やはり実施する大学が出てきましたね。Youtubeの最大の利点は無料で全世界に対して情報を発信でき、かつ双方向のコミュニケーションが可能であるということです。また、こうして世界初の取り組みを実施することで、大学の知名度も上がりますし、広告効果は非常に高いと思われます。

ただ、講義で活用するには問題もあります。コメント機能を活用とありますが、Youtubeを閲覧するユーザーは誰でも書き込み可能なため、非常に多くのコメントが寄せられることで課題に対する議論がうまくいかなくなる可能性があります。(もっとも、議論はFace To Faceで実施すれば済む話ですが)
しかし、大学におけるYoutube活用に一石を投じる取り組みと評価できるのではないでしょうか。