Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

合格実績の水増し、波紋広がる

high190です。
関西の高校で発覚した合格実績水増しですが、波紋が広がっています。

◆合格実績水増し、校長が説明会で謝罪
私立高校の大学合格実績水増し問題で、受験料を負担して生徒1人に関西の有名4私大の73学部・学科を受験させていた大阪学芸高校大阪市住吉区)が、受験料負担額として、毎年平均300〜400万円を学校予算から拠出していたことがわかった。同校は23日、保護者説明会を開き、負担規定を廃止し、大学合格者数についても延べ数と実数を公表するなどの改善策を示したが、保護者からは「ピラミッドの頂点にいる生徒のために、私たちの学費が使われたのか」「誇大広告にだまされた思いだ」と怒りの声が相次いだ。
午後6時から体育館で始まった説明会には、約110人の保護者が出席。近藤永(えい)校長らが陳謝し、「信頼を裏切り、申し訳ない。全校生徒にも説明し、謝罪したい」と述べた。
学校側の説明によると、同校は大学入試センター試験利用入試(受験料約1万5000円)と一般入試(同約3万5000円)を毎年計約150回分負担していた。近藤校長は規定を廃止する方針を示し、「生徒がやる気をなくす恐れもある」と校内にカウンセラーを置くことも明らかにした。
これに対し、保護者からは非難や今後の不安を訴える声が相次いだ。
関西、関西学院同志社立命館の4私大の延べ合格者144人の半数を、生徒1人が占めていたことについて、1年生の母親は「誇大広告にまんまとだまされた。生徒を集めるためなら何をしてもいいのですか」と批判。73学部・学科を受験させられた生徒にも、「心の傷が大きいはず」と思いやった。3年生の母親は「子どもは推薦入試を受ける予定だが、悪影響がないか心配。学校は各大学にもちゃんと謝罪してほしい」と要望した。
説明会は約1時間半に及び、出てきた母親の1人は「今は『生徒を最優先する』という高校を信じるしかない」と言葉少なだった。


◆前校長ら私費負担、仁川学院高受験料
一方、今春の入試で、生徒7人の受験料を負担し、有名5私大を受験させていた兵庫県西宮市の仁川学院高校は23日、永尾稔校長らが記者会見。毎年の受験料負担額約100万円を、前校長らが私費で払っていたことを明らかにした。
同校によると、3月まで勤務していた前校長や学校法人理事ら数人が工面していたといい、池田勉事務局長は「保護者からの寄付金や、学校経費を使うわけにはいかないと思った」と説明した。

このような状況を受けて、大阪府では全私立高校の調査の実施を決定しました。

今後、全国で調査が実施される可能性は高いと思われますが、未履修問題と同じように多くの学校で実態が明らかになりそうです。