Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

奨学寄付金の企業名称は原則公開?

high190です。
最近は情報公開に対する要求が非常に厳しくなってきています。
大学に関してもこんなニュースがありました。

内閣府の情報公開・個人情報保護審査会は12日までに、高知大学が保有する企業からの奨学寄付金の記録について、企業名を開示するよう求める答申を出した。同様の文書で大学に企業名開示を求める答申は国では初めて。
同審査会は05年1月、企業名を不開示にした大分大学の決定を「妥当」とする答申を出したが、今回はこれを覆した。05年の答申を理由に開示を拒む大学は多く、今後見直しが進む可能性がある。
今回の答申対象は、00〜05年度に高知大学医学部と付属病院が受けた奨学寄付金の受け入れ状況を示す文書で、週刊朝日の記者が開示請求した。大学側は企業名を不開示としたため、異議申し立てをしていた。
同審査会は、答申で企業名を明らかにしても、企業活動に影響を与えるほどではないと判断。さらに「企業と国立大学との関係の透明性を確保し、あらぬ疑念を抱かせないためにもその実態を明らかにする意義は大きい」とした。

ここで個人的には「奨学寄附金」って何だろう?と思ったので、ちょっと調べてみました。

「奨学寄付金」とは民間企業や個人などから学術研究や教育の充実などのために利用される制度で、民間企業が払い込む「奨学寄付金」は研究の目的を指定することや特定の講座や研究者を指名することもできる。
ただし、これによって生じた権利は発明教官個人に帰属することになり「奨学寄付金」の寄附者に特許権等を受ける権利を譲与することはできない。

    1. 寄附者から大学の長へ寄附を行う旨の申込書を提出。
    2. 大学の長は学内の審査機関の議を経た上で受入の可否を決定、寄附者へ連絡。
    3. 「奨学寄付金」を国庫金に納付するため納入通告書を寄附者へ送付。寄附者は銀行でこの納入告知書により寄附金額を払込。
    4. 大学の長から寄附者へ礼状送付。(本当に礼状が届きます)
    5. 払い込まれた「奨学寄付金」と同額が国の歳出金から大学の長へ交付され、国の会計機関の基で経理。

なるほど、大学に外部資金を提供して共同研究を実施する企業名は原則公開するということなんですね。
特に理科系の大学ではこうした実例が多そうですし、今後は大学での情報公開がより進むかも知れませんね。