Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

リベラルアーツで大学全入時代に対抗?

high190です。
私が卒業した大学は「単科大学」と呼ばれる大学でした。
ですので、一般的?な大学生がいうところの「パンキョー(一般教養科目)」にはあまり親しまずに大学を卒業しました。

桜美林大学では次年度から「リベラルアーツ学群」を設置するそうです。

桜美林大学(町田市、佐藤東洋士学長)が今春、学部間の垣根を取り払い、総合的に学問を学べる「リベラルアーツ(教養教育)学群」を新設した。子どもの“理数離れ”が叫ばれる中、文系分野の科目に加え、理数系の講義を大幅に増やしているのが特徴で、学生に数学的な思考力を身につけてもらうことを目指している。(石崎伸生)
同学群の「自然科学基礎(数学)」の講義。担当の芳沢光雄教授(数学教育)が学生約60人に問いかけた。
「前の2打席を凡退した打率3割3分3厘の選手がいるとします。アナウンサーが、『確率的にそろそろヒットを打つころです』と言った時、変だと思う人は手を挙げてください」
手を挙げた学生は約半分。「変ではない」を4分の1程度の学生が選び、残りの学生は首をひねっていた。
芳沢教授が説明を続ける。「正解は『変だと思う』。前の2打席が凡退でも、次の打席でヒットになる確率は3割3分3厘で変わらない。どんな時も同じ割合で起きるということが『同様に確からしい』という『確率』の基礎なんです」
同学群は、経済、国際、文の文系3学部を統合して開設された。従来からの人文、社会科学だけでなく、自然科学にも重点を置き、それまで2人に過ぎなかった理数系の教授を一挙に計11人に増やした。
「数学的ひらめき」(光文社新書)などの著書があり、全国各地で算数・数学の「出前授業」を行っている芳沢教授も、今春から招かれた1人。「様々な分野を学ぶリベラルアーツの考えに共鳴した。文系の学生でも理数系の考え方は必要だ」と強調する。
国際教育到達度評価学会(IEA、本部・アムステルダム)が4年ごとに実施している「国際数学・理科教育動向調査(2003年)」によると、「数学の勉強は楽しい」という設問に「強くそう思う」「そう思う」と答えた日本の中学2年生は計39%。国際平均値より26ポイントも低く、理科も18ポイント下回る低水準だった。
国立教育政策研究所(目黒区)は、「算数・数学や理科は様々な学問に通じる。だが、日本では理数嫌いは依然として多く、改善の必要がある」と指摘する。
このため、芳沢教授は、講義でも実生活の中の題材を取り上げながら、数学的な論理になじんでもらえるよう工夫しており、1年の西館美登利さん(19)は「数学を通して社会を学べるので、ほかの勉強にも役立つはず」と話す。
同大は7月21、22日と8月1、2日に行われるオープンキャンパスで、受験を控えた高校生らへの体験授業を実施する。理数系の教授陣も教壇に立ち、リベラルアーツへの関心を促したい考えだ。
佐藤学長は「文系、理系の色々な分野を学ぶことで発想力も豊かになる。学生には、新しいものの見方を養って社会で生かしてほしい」と期待をかけている。

文理融合で「考える力」を養成するということですね。
大学で学ぶにあたって、考える力を付けることは非常に重要であると私は考えます。(現状の日本では、大部分の大学がプロフェッショナルスクールとしての役割を果たせていないと思います。その分、しっかり考える力を付けさせて学生を社会に送り出したいものです)