Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

記録媒体はバクテリア――「数億年」の保存目指す慶応大学研究チーム

high190です。
私が勤めている大学は経済・商学系の大学です。いわゆる「社会科学系」ですね。

私にとっては理工学系の大学は「未知の領域」なのですが、慶應義塾大学では新しいPCの記憶媒体として何と!バクテリアを活用したものを研究しているようです。

近ごろのデータはディスク、コンピュータチップ、HDD、そして古き良き紙に保存される。日本の科学者は、もっと小さくて耐久性が高いものとして、バクテリアに目を向けている。
DNAの遺伝暗号を表す「TCAG」の4文字は、デジタルデータによく似た働きをする。組み合わせによって特定の文字や記号を表すことが可能だ。ゲノムのコードを翻訳あるいは読み取って、音楽やテキスト、映像などのコンテンツを生成することができる。
インクは色あせてしまい、コンピュータはクラッシュするかもしれない。しかし、慶応大学の研究チームを率いる冨田勝教授によれば、バクテリア情報は種が生き続ける限り、何百万年という気が遠くなるほどの長期にわたって存続できる。
冨田教授のチームでは、ノーベル賞を受賞した物理学者、アルベルト・アインシュタインの有名な方程式「E=mc2」と、アインシュタイン特殊相対性理論を発表した年である「1905年」を普通のバクテリアに挿入することに成功した。
遺伝暗号は膨大であり、例えばシェークスピアの戯曲のような情報でも、構造体の全体的な外観や特徴を損ねることなく、遺伝子のどこかに隠すことが可能になる。
ただ、突然変異によって保存したデータが破壊されることはある。データは損なわれることのないよう、バクテリア内部の4カ所に保存されていると冨田教授は言うが、細菌学の専門家である九州大学の土居克実氏はこれに疑問を投げ掛ける。
「実用までにはもっと時間が必要かもしれない。ただ、このアイデアはとても気に入った」(土居氏)
アインシュタインのメッセージを翻訳するには、暗号を解読する必要がある。しかし冨田氏はある種自由な思想の科学者で、遠い未来に地球外生命体がやって来て、持ち前の優れた知能で直ちに暗号を解読してしまうかもしれないという考えに興味を持っている。
「一体誰がバクテリアを解読しようなどと思うのか」という質問を冨田教授は一笑に付し、次のように話した。
「多くの人は、何千年間もデータを保存しようなどとは考えもしないだろう。これは夢のように聞こえるかもしれないが、われわれが考えているのは何億年という単位だ」

記録できる期間が何億年とは・・・
もしこれが実用化されれば半永久的なデータ保存が可能になります。

(もしそうなったら、データのクラッシュに怯えたり、外付けHDDを購入する費用を捻出しなくて良くなるんだ!なんてことを考えたら、自分の生活面から考えても非常に実用化してもらいたい技術ですね)

行き続けるバクテリアに情報を記憶させるというこのアイデア、こういった新しい研究が早く実用化されることを願っています。