Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

国立大学費に格差 財務省検討 学部間も経営判断で

high190です。
独立行政法人化した国立大学に新たな改革の波が押し寄せる可能性が出てきました。

全国の国立大学で一律になっている授業料や入学金について、財務省は二十六日、大学や学部の独自の教育内容や経費に応じて、格差をつけられるようにする方向で検討に入った。現行制度では「標準額」から最大20%増を上限に各大学が設定する仕組みだが、横並び意識が強く大半は標準額と同額に設定している。設備にコストがかかる医歯系や理系の学部は、これまでより高くする一方、文系を安くするなど学費設定に経営判断と競争原理が働くようにし、従来の体系を抜本的に見直す。
政府が取り組む大学・大学院改革の一環で、授業料の値上げによる学生の負担増を緩和するため、奨学金制度の拡充を併せて検討する。
財政制度等審議会財務相の諮問機関)が六月上旬にまとめる建議に、授業料見直しの提案が盛り込まれる。国立大学法人の現行の中期計画が終わる二〇〇九年度に向け、具体的に議論される見込みだ。
ただ授業料に格差をつけることには、教育界から「高等教育の機会均等」を損なうなどとして、反発が出そう。
経営基盤が弱い地方の国立大学は、受験生確保のための授業料引き下げか、財務体質強化のための値上げかという難しい判断を迫られることも予想される。文部科学省や大学側との調整は難航必至だ。
国立大の授業料や入学金は、設定の目安となる「標準額」を文部科学省財務省が折衝して決める。財務省は大学が持つ「教育」と「研究」の機能を区別し、授業料は教育機能を賄う財源として位置付けを明確にする。各大学に教育費用に見合った授業料の設定を求めることで、コスト意識を高める狙いがある。
現行の授業料は、全国八十七の国立大学のうち標準額(年額五十三万五千八百円)より低くしているのは北海道教育大、北見工業大、千葉大、東大、三重大の各大学院と、佐賀大(学部と大学院)だけ。東北大と東京農工大は一部の大学院研究科に限って高くしている。

とうとう、学費についても国立大学法人の裁量で決定できるようになる日が近づいているのかも知れません。