Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

主要12大学、昨年度の寄付講座3割増

high190です。
本blogでも取り上げていますが、大学での寄附講座開設が増加しているとの調査結果が出ました。

企業や業界団体からの大学の寄付講座が増えている。全国主要12大学に日本経済新聞社が調査したところ、2006年度の講座数は前年度を約3割上回った。少子化で経営環境が厳しさを増しており、大学側は寄付講座の開設で、資金調達の多様化と学生への授業内容の魅力向上をアピールする狙い。採用難に悩む企業も自社の存在を学生に印象づける機会ととらえているようだ。
東京大学京都大学早稲田大学慶応義塾大学など12大学の寄付講座は06年度に合計で前年度比27.1%増の286となった。

寄附講座(きふこうざ)とは、大学や研究機関における教育・研究形態の一つである。
民間企業や行政など、大学・研究機関の外部から、教育・研究の振興のために寄附された資金や人材を活用し、研究や教育を行う事業を指す。
一般的な傾向として、理系の学問における寄附講座は、外部から寄附された資金を元に、講座を組織して研究を行う事を指す。(医薬品メーカーから寄附された資金を元に、難病の治療法を研究するなど。あくまで寄附のため営利目的の研究ではないものの、多くは寄附者の意図を汲んだ研究内容(新技術の開発等)であることが多い。)
一方、文系の学問における寄附講座は、もっぱら大学において行われ、授業の一環(多くの大学では、自らの大学で特に力を入れている教育・研究の分野で行われる)として実施される場合が大半である。
寄附の内容は資金の提供ではなく、カリキュラムやテキストを作成し、講師を派遣すると言ったノウハウ・人材面での寄附が多い。
なお、寄附講座の実施に当たっては、寄付者の篤志を称え、講座名に寄付者の名称を付ける事が出来る。

寄附講座には以下のメリットがあります。

    1. 外部資金調達が可能になる
    2. 企業と連携して講座を開設するため、パブリシティ向上に繋がる(しかも、費用がかからない)

如何に費用をかけずに広報できるかも、広報担当者の腕の見せ所ですが、こうした教学面でのメリットも大きい施策と連動して広報を行えることからも、大学のメリットが極めて大きい制度だと思います。