Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

大学で進むシンクライアント導入

こんにちは。
high190です。
毎日学生対応をしていて感じることが、「明るくあること」の大切さです。相談に来る学生は何らかの問題を抱えていて、その解決策を求めて相談に来ます。その際に、こちら側で明るく迎えると学生も安心して相談できるようです。本学の学生対応に対する学生の不満について、別の部署にいる同僚から話を聞きました。少しずつでも、母校に対していいイメージを持って卒業してもらえるように、対応したいと思っています。
さて、大学では教職員・学生がPCを使うことが当たり前となり、各自で所持して業務や学習等に活用しています。しかし、PC(Personal Computer)は文字通り個人用情報端末であるため、主目的以外の利用やウイルス感染等の危険性があり、情報セキュリティ対策に苦慮している大学も多くあると思います。
そんな状況で現在注目を集めているのが「シンクライアント」です。これは、ユーザー側でのアプリケーションのインストールをせずに、管理サーバーを置いて一括管理するシステムです。運用管理を一括で行えるため、TCOを削減できますし、無駄なアプリケーションを入れる必要はなくなります。
(ちなみに、オンライン上で動作するアプリケーションに関してはどうなんでしょうか?)
ハーバード大学の物理学部は、Linuxベースのシンクライアントを導入したと発表しました。

米国 Wyse Technology は2月6日(現地時間)、ハーバード大学の物理学部が大学院生用の PC を Linux ベースのシンクライアントWyse S50」に入れ替えた、と発表した。
ハーバードの物理学部がシンクライアントに切り替えたのは、現場サポート時間の削減と PC のオン/オフ時の電気代節約が目的だった。同学部では、PC 上に氾濫する無数のウイルスやマルウェアからの学生の保護や、シンクライアントによるさらに安全なコンピューティング環境の実現も期待している。
ハーバード大学物理学部のシニアシステムアドミニストレーター、Maggie McFee 氏は、次のように語っている。
Wyse の S50 ターミナルを導入してからは、大学院生からのサポート依頼数が50%以上減少した。Wyseシンクライアントソリューションにより、すべての要望を集中的に管理できるようになり、われわれの数少ない IT スタッフが、複数の階に分散する PC に1日がかりで対応せずにすむようになった。これで何でも一元管理できるようになった」
Wyse S50 は小型で高度な機能を持った Linux ベースのシンクライアントLinux Kernel 2.6をベースにした Wyse Linux V6 OS を搭載する。
同学部では、サポート作業の合理化に加え、シンクライアントソリューション導入のメリットとして、次のようなことを指摘している。

  • セキュリティ

PC と異なり、シンクライアントにはローカルストレージデバイスがないため、サーバーさえ保護されていれば、シンクライアントはウイルスなどの各種マルウェアに対して強い。さらに、シンクライアントからは著作権のある情報の出し入れができないため、データはサーバー上ではいつでも安全で、プライバシー規制にも準拠する。

  • 扱いやすさ

ソフトウェアがサーバーに常駐し、そこから配信されるという単純な理由から、シンクライアントの方が導入もコンフィギュレーションもバックアップもはるかに容易だ。したがって、直接細かい作業をする必要はほとんどない。

1台の PC には、平均で購入額の4〜7倍の年間保守費用がかかるが、シンクライアントならライセンスあたり年間1,000ドル以上の保守費用を節約できる。IDC の白書、「Thin Computing ROI:The Untold Story」(語られなかったシンクライアントの ROI)によると、これは大半の IT 部門にとって最大40%の節約につながるという。

McFee 氏はさらに次のように続ける。
Wyseシンクライアントは、ネットワークに接続された Windows ベースの PC に対するこれまの懸念を緩和してくれた。大学全体を網羅するネットワークでは各種ウイルスが増殖しやすいが、Wyse S50 があれば、コンピュータに保存できるものが何もなく、セキュリティソフトウェアの保守やアップデートも、数十台のデスクトップシステムと比較すれば1台のサーバーの方が容易なため、Windows のウイルスと毎日格闘せずにすむ」