Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

東大キャンパスに保育園

high190です。
私は大学職員としてのキャリアはまだまだ浅いのですが、この職業は非常に恵まれていると思います。
待遇、福利厚生、休暇等、企業で仕事をされる方からすると、もはや異次元の領域かと。
しかしその反面、大学全入時代の到来によって、職がなくなる可能性もありますのでキャリア構築に努めなければならないと私個人は思います。(実際は組織にぶらさがっている人が多いのかも知れません)

まあ、大学の光と影にちょっと触れましたが、面白い仕事ができる職場であることには違いありません。
さて、本日は大学の福利厚生面についてのニュースを紹介します。

子供のいる教職員をサポートするため、東京大学本郷キャンパス(東京都文京区)内に今月から開かれた「東大病院いちょう保育園」の開園式が4日行われた。
東大の教員に占める女性の割合は9・3%(昨年5月1日現在)にとどまる。女性研究者を育成するには、女性が働きやすい環境整備が欠かせないとして、大学が直接運営する保育所を各キャンパスに設立することにした。
いちょう保育園はその第1号。計6人のスタッフで運営され、一時保育も含めた定員は32人。当面は看護師ら病院職員を対象に小学校就学前までの子供を受け入れ、現在7人が入園している。将来は、本郷キャンパス内にもう1園を開設するなど3園を作り、教職員や大学院生、学部生の子供を受け入れる方針だ。
4歳の長女を預けた看護師の井津聡枝(ときえ)さん(34)は、「これまでは職場から自転車で20分かかる保育園に預けていました。送り迎えの負担が減るので夫婦ともに喜んでいます」と話していた。

この事例、附属病院を持つ東京大学だからできることかも知れません。
しかし、大学の持つ特殊性を活かして女性が働きやすい環境を作ろうとすることが素晴らしいと思います。
(余談ですが、私の職場では結婚してお子さんを育てながら仕事をしている女性(研究者・事務職員とも)が少ないです。私の目から見ると、本学は育児と仕事を両立させられる仕組みができていないように思います。私の大学時代の論文指導教授は女性でしたが、その先生は子育てに関して、姑の協力とお手伝いさんを雇うことで研究と育児を両立したと聞きました。当時は今よりもそういった社会通念が確立されていませんから、大変だったと思います。)

東京大学でも優秀な女性研究者を育てるために、このような施策を講じています。女性研究者の育成にも資すこういった制度が大学に広まれば、研究者を志す人も増えるのではないかなと思います。