Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

Web2.0導入時の壁は財務責任者? 「企業Web2.0調査」から

Web2.0のサービスを活用する企業も増えてきていることと思います。導入にあたってはマネジメント層がどの程度、Webへの理解度を持っているかがひとつの焦点になると思いますが、こんな調査がありました。

世界の企業は,Web2.0についてどう考えているか――。英エコノミスト・グループの調査部門が,「企業におけるWeb2.0」の調査結果を紹介した。「企業のエグゼクティブ層には,一般人よりWeb2.0に詳しい人がいる」,「Web2.0導入時の壁はCFO」など,興味深い結果が見られる。

英メディア企業The Economist Groupの調査部門,The Economist Intelligence Unit(EIU)が,企業における「Web2.0の実態調査」を実施。その調査結果を紹介した。検索ソフトの開発会社,ファスト サーチ&トランスファ(FAST)が2月7日から米サンディエゴで開催しているカンファレンス「FASTforward '07」の目玉の一つである(関連記事)。

主な調査対象は,世界の金融,IT,ライフサイエンス分野の企業。4割が北米企業である。結果を見ると,CEO(最高経営責任者)をはじめとしたエグゼクティブ・クラスの多くがWeb2.0を知っているが,「その知識量には差がある」(EIUの Jeanette Borzo氏,写真)。例えば,マッシュアップSNSについてはみな十分に知っているが,Web2.0の構成要素の一つであるタギング(タグを付けて情報を整理すること)を知るエグゼクティブは少数派だった。

調査で見えたのが,「Web2.0は企業に必要だ」と考えるエグゼクティブ・クラスが多いこと。Borzo氏によると「特定のエグゼクティブは,一般の人よりもWeb2.0に詳しい」。

企業はWeb2.0のどんな技術や要素を導入しているのか。「すでに使っているもの」としてトップに挙がったのがブログやWikiで,32%。2番がSNSなどの「オンライン・コミュニティ」で31.08%。マッシュアップRSSは2割程度にとどまったが,それぞれ42.0%,33.58%が,「これから使いたいと考えている」と回答した。

調査では「Web2.0を実装する上での課題や問題」についても聞いている。その結果見えてきた課題には,次のようなものがある。「経営トップの関与」。「CFO最高財務責任者)はWeb2.0を知らない」――調査ではいわゆるCEOやCTO(最高技術責任者)など「Cクラス」の中で,CFOWeb2.0についての関心が低いという結果が出た。このほか,「IT部門がWeb2.0の導入に必要なトレーニングを受けていない」などの課題も明らかになった。

逆にWeb2.0を成功に導く要素として,以下のものが挙げられた。「まずは実際の利用例を作ること」,「(社内の)世代間ギャップを埋めること」,「Hype Avoid(誇張を避けること)」,「Web2.0は企業では使えないと断定するのを止めること」などだ。

成功するためには次の条件が必要とされています。

「まずは実際の利用例を作ること」
「(社内の)世代間ギャップを埋めること」
Hype Avoid(誇張を避けること)」
Web2.0は企業では使えないと断定するのを止めること」

実際に導入するためには、利用例が欠かせないですよね。そうでないとなかなか上の人は納得してくれませんから。実例をもって話ができれば、納得を得やすくなります。そのためにはプレゼンテーションの戦略をしっかり作っておく必要がありますね。
次に世代間ギャップを埋めること。これが一番難しいと私は思います。日本では一般的に職位が高い人ほど年長者であることが多いので、そういった人とはいつも世代間ギャップに悩まされます。(ちょっとしたITに関する話題でも、上手に例えて話さないと伝わらないことが多い)
これを打破するためには、実際にサービスを利用してもらって体感してもらうことが大切ですが、それだけでは納得のいかない人もいるでしょう。Web2.0サービスの導入によって得られる効果を示さないと厳しそうです。
誇張を避ける・Web2.0は企業では使えないと断定するのを止めるの二点も上記に関連してきます。

私の意見としては、まず小さなグループで利用事例を作ってそこでの成果を積み重ねてマネジメント層へ正式に具申するやり方が良さそうかなと思います。